【石原結實 病気を吹き飛ばす食図鑑】レタスはヨーロッパ中南部~西アジア~北アフリカ原産のキク科の越年生草本。古代ギリシャ、ローマ時代から栽培されていた。日本には平安時代、中国原産の「ちしゃ」が伝えられていたが、レタスと同種と考えられる。以前、レタスが「玉ちしゃ」と呼ばれていた所以だ。

 レタスの茎を切ると白い乳液が出てくるが、その中に含まれる「ラクッコピコリン」は、精神安定作用と入眠作用がある。ヨーロッパでは、「レタスは恋の炎を鎮める効能=制淫作用がある」と言われ「ご主人の浮気封じ」にはもってこいの野菜である由。

 ビタミンはA、B1、B2、Cを、ミネラルは、カリウム、ナトリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄が多く含まれる。特に多量に含まれているマグネシウムは、筋肉、脳、神経組織の新陳代謝を活性化させ、これらの組織の健全性を保つ重要な働きをしている。

「本草綱目」に「(ちしゃは)筋骨を補い、五臓の働きをよくし、気のふさがりを開き、経脈を通じ、歯を白くし、耳や目をさとくす。熱毒や酒毒を解き、頻尿、口渇を治し、腸の働きをよくする」とあるが、科学的にも正に正鵠を射ている内容と言える。

 野菜の中では最上等の野菜の1つと言ってよいが、葉菜(ようさい)である故、漢方医学的には、体を冷やす陰性食品。「本草綱目」にも「病人や冷え性、産後の人が食べると腹を冷やし、腸を痛める」とある。冷え性の人は、炒めたり、味噌汁の具にしたりして、熱を加えて食べるとよい。

 ◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は「水分の摂りすぎが病気をつくる 日本人が知らない『水毒』の恐怖!」(ビジネス社)。