パラクライミングの「ワールドクライミング・パラシリーズ福岡2026」は6日、福岡県飯塚市の筑豊緑地公園で決勝が行われ、男子リード視覚障害B1クラスで世界選手権6度優勝の〝絶対王者〟会田祥(30=三井住友海上あいおい生命)が優勝した。競技中にサイトガイドとの無線通信が途絶えるアクシデントに見舞われながらも、今季シリーズ最終戦を制し、5戦4勝でシーズンを締めくくった。
リードは制限時間内に登った壁の高さを競う種目で、今大会の制限時間は6分。全盲の選手が対象となるB1クラスでは、サイトガイドからホールド(突起物)の位置や動き方などの指示を受けながら登る。会田は前日の予選を同率1位で通過。決勝ではスペインのアギラル・アモエドと同じ高さまで登ったため、登るのにかかった時間で順位が決まり、18秒差で優勝した。
その決勝では思わぬトラブルが発生していた。サイトガイドを務める田中星司氏によると、競技前には正常に作動していた無線機が、登り始めて2、3個目のホールド付近で通信不能になったという。会田から通信が途絶えたことを伝えられた田中氏は、無線機を使わず、大声で指示を送る対応に切り替えた。
田中氏は「無線機が不通になってしまったので、ちょっと大きな声を出さなきゃいけなくなった。そういうトラブルがあっても頑張れたのが良かったんじゃないかな」と振り返った。会田も「まだ下の方だったんで、地声も半分聞こえますから」と説明。田中氏の普段の指示については「短く簡潔なんで、聞きやすかったですね」と評価した。
それでも、絶対王者は勝利だけでは満足しなかった。最後のホールドに触れながらも保持できず、完登を逃したことについて、会田は「距離は足りていたけど、奥行きが足りてなかったんじゃないですかね」と分析。優勝については「結果は良かったかなって感じですね」と語りながらも、時間差での決着には「タイムカウントは目指さないですから。しっかり点数で差をつけるなり、カウントバックなりの方が、もうちょっとスッキリしたかな」と、内容へのこだわりをのぞかせた。
今季5戦4勝の成績には「もう十分な結果かなと思います」と手応えを示した。普段は海外大会への出場が多いだけに、日本開催についても「実際に日本の方に見てもらったっていうところは、すごく意味のあることだったんじゃなかろうかと思います」と意義を強調した。
パラクライミングは2028年ロサンゼルス・パラリンピックで初めて正式競技に採用され、男子B1クラスも実施される。会田は「ケガなく健康に健やかに過ごしていきたい」と話し、2年後の大舞台に向けて「せっかくだったら完登できたらいいななんて思っているので、トレーニングに励んで準備していきたい」と意欲を見せた。













