実際に起きていたら列島壊滅級――。

 16日午後0時40分ごろ、マグニチュード(M)9・9の地震が起きる可能性がある緊急地震速報の警報が流れ、取り消される騒動があった。

 気象庁は「千島列島で地震発生。強い揺れに備えてください」とロシア・カムチャツカ半島付近でM9・9の地震が発生し、北海道から東海地方にかけ、最大震度7の揺れが予想されると警告。しかし、関東付近では揺れは起きず北海道・函館市で震度1が観測されたのみ。10分後に再び警告音が鳴り「先程の緊急地震速報を取り消します」と通知された。

 気象庁によれば、カムチャツカ半島付近で起きたM6・9の地震を千島列島を震源とするM9・9と過大に推定してしまったという。

 緊急地震速報が取り消されるのは初めて。気象庁や木原稔官房長官は「影響を受けた皆さんに多大な心配と負担をおかけした」と謝罪した。JR東海では防災システムの作動で、東海道新幹線が一時運転を見合わせたほか、札幌市内では路面電車が停車するなどした。

 サイバー攻撃が各所で頻発する中、気象庁のシステムが不正アクセスされ、誤発信も疑われたが、同庁は否定。防災関係者は「実際にM9・9の地震が起きていたら大変なことになっていた」と話す。

 というのも過去、世界で観測された最大の地震は1960年のチリ地震で、M9・5。2011年の東日本大震災はM9・0だった。地震のエネルギーを比較すると、M9・9はチリ地震の約4倍、東日本大震災の約22倍に相当する。強い揺れによる建物の倒壊や火災が起き、巨大津波に襲われ、太平洋沿岸を中心に壊滅的な被害をもたらす超巨大地震となる。

 とんだ誤報騒動だったが、巨大地震への警戒は必要だ。政府の地震調査委員会は根室沖でM7・8~8・5の地震が今後30年以内に起きる確率を90%程度としている。南海トラフ地震は60~90%、首都直下地震は70%と見込んでいる。