再放送されているNHK連続テレビ小説「ひよっこ」(2017年度前期)の12日放送第47回、ラジオ放送で昭和の大横綱大鵬の取組実況が流れ、「巨人・大鵬・卵焼き」の時代を懐かしむSNS投稿が続いた。一方、その場にいた主人公のみね子(有村架純)らはというと…。
みね子らが勤める向島電機では業績悪化による給与削減が行われ、みね子は行方不明の父に向けた心の声で「冬の寒さが身にしみます」と言い、焼き芋屋の前を仲間と通り過ぎた。すると寮長の幸子(小島藤子)が立ち止まり、焼き芋を自ら買って分け合った。そこにラジオの大相撲中継が流れてきた。
11勝1敗の大鵬が、それまで一度も負けたことのない大豪と対戦した実況だった。これに該当するのは1965年九州場所の13日目。すくい投げで勝った大鵬は千秋楽、13勝2敗で18回目の優勝を飾った。
みね子らが焼き芋を食べる間、「がっちりと組み止めた大鵬十分」といたアナウンスが流れ、ラジオがアップで映った。その方向に目をやる女子工員6人。幸子が「頑張ろう、向島電機」とつぶやくと、「うん」と周囲がうなずく。みね子の心の声も「お父さん、下を向くのはやめようと思いました」と続いた。
当時、すでに双葉山の12回を上回る最多優勝記録を更新し続けていた大鵬。65年は巨人軍の9連覇が始まった年でもある。Xには「巨人・大鵬・卵焼き」と、当時幅を利かせたものを指す流行語の投稿が相次いだ。
大鵬については「取組になると女湯から人が消える」という伝説も語られた。前出の焼き芋屋の近くには、みね子らが通う「亀の湯」がある。まさに大鵬人気を描くような舞台設定だが、肝心のみね子らは無反応。勝負がついても、喜ぶでも声を上げるでもなかった。
この6人は相撲より、自分たちが製造に携わっている「ラジオ」に関心があったとみられる。幸子の「頑張ろう」も、大鵬に元気をもらったのではなく、暮らしに溶け込むラジオづくりに改めて誇りを持とうという気概から発せられた様子。
色白で長身かつイケメン、スリム体形の時期もあった大鵬。初優勝した60年当時に比べれば若い女性人気は落ちていた可能性があるとはいえ、若い女性が6人もいて誰も大鵬の大一番勝利に反応を示さないのは不思議なシーンでもあった。












