ア・リーグのワイルドカードシリーズ第1戦は29日(日本時間30日)に2試合が行われ、ホワイトソックスとヤンキースがそれぞれ先勝し、突破に王手をかけた。ヤンキースに0―9で大敗し、後がなくなったレッドソックスではチャド・トレーシー監督(46)の継投判断を巡り、米メディアから厳しい批判が相次いだ。

5回に降板したペイトン・トーリ(左から2人目=ロイター)
5回に降板したペイトン・トーリ(左から2人目=ロイター)

 大事な初戦のマウンドを託したのは、メジャー2年目ながら今季26試合に先発して9勝6敗、防御率3・03をマークし、貫禄たっぷりのひげがトレードマークのペイトン・トーリ投手(23)。左腕は2回に1点を先制されたものの最少失点で抑え、中盤まで試合をつくって打線の奮起を待った。そして5回は先頭のウェルズを捕邪飛、続くゴールドシュミットを1球で右直。0―1のまま二死無走者となり、この日の対戦で二塁打、空振り三振だった左打者のライスを迎えたところで指揮官は83球のトーリを降板させた。

 そして、2番手でマウンドに送られたトーリと同じ左腕のミラーは、ライスにバックスクリーンへ痛恨のソロを被弾。打線が相手先発・シュリトラーの前に沈黙していただけに重すぎる2点目となった。試合後、トレーシー監督は結果的に裏目に出た交代の判断を現地メディアから問われ「球数だけの問題ではないが、すでに(1点を)リードされ、(相手の)打順も3巡目に入っていた。ライスはすでに彼(トーリ)から二塁打を放っていた」と説明したが、収拾はつかなかった。

 米メディア「FANSIDED」は「弁解の余地はない」と断罪し「トレーシー監督が(継投を)決断した時点ですでに意味不明だったが、トーリの代役を登板させてさらに意味不明になった」と糾弾。痛い一発を浴びたミラーは今年8月にトレードでジャイアンツから加入し、今月登板した8試合(7回1/3)で防御率7・36と不調だったことから〝人選〟にも疑問を投げかけた。

 米放送局「NBCスポーツ」も「トーリがソニー・グレイを抑えて第1戦の先発に抜てきされた理由の一つは、彼の精神的な安定感だった。5回、走者なし、2アウトの場面で彼をマウンドから降ろしたことは、それだけでチームの士気を下げるものだった。その直後に放たれた本塁打は、まさにノックアウトパンチのようだった」と采配を酷評した。

 窮地に立たされたレッドソックスは巻き返せるのか。