最後に〝勲章〟をつかんだ男と、取り残された男――。カネを積んでも勝てなかったメッツの惨敗シーズンは、皮肉な形で幕を閉じた。

 メッツは27日(日本時間28日)、敵地ワシントンでナショナルズとの最終戦に4―6で敗れ、74勝88敗。ナ・リーグ東地区最下位で、首位ブレーブスには20ゲーム差をつけられた。大型補強を重ねながら、ポストシーズンとは無縁に終わった。

 終盤は9月上旬に4連勝するなど持ち直したが、春先から背負った借金は重く、反攻は〝時すでに遅し〟だった。そんな暗いフィナーレで、フランシスコ・リンドア内野手(32)が大きな勲章を手にした。2回に21号ソロを放ち、メジャー通算300本塁打に到達した。

 米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」は、リンドアが史上11人目の300本塁打スイッチヒッターになったと紹介。300本塁打と200盗塁達成はカルロス・ベルトランに続く2人目で、300号到達時点で出場試合の半数以上を遊撃で守った選手としても史上5人目となった。 

 今季は4月1日(同2日)のカージナルス戦でアウトカウントを勘違いし、併殺を完成させられない痛恨のミス。左ふくらはぎ痛による離脱もあり、105試合で打率2割2分5厘、21本塁打、49打点にとどまった。それでも最後に「300号」を残し、序盤に浴びた批判を多少なりとも振り払った。

高額契約に見合う成績ではなかった?メッツ・ソト(ロイター)
高額契約に見合う成績ではなかった?メッツ・ソト(ロイター)

 一方で、割を食ったのがフアン・ソト外野手(27)だ。15年総額7億6500万ドル(約1170億円)の超大型契約を背負う主砲は、2度のふくらはぎ痛で離脱し、111試合の出場にとどまった。

 皮肉なのは、打撃そのものが〝ダメ〟だったわけではないことだ。打率2割7分5厘、27本塁打、68打点、OPS・908。それでも地区最下位では「史上最高額契約の男」という看板は逃げ場を与えてくれない。リンドアが300号で称賛をさらった分だけ、ソトには厳しい視線が残った。

 巨額投資の果ては地区最下位。リンドアには〝救い〟があったが、ソトには数字だけでは拭えない影がまとわりつく。その影が濃く映るのは、やはり「最も費用対効果が薄い男」ということか。