2連覇中の世界一軍団を押しのけ、〝最恐打線〟の座に躍り出たのはシカゴの名門球団だった。

 米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は、25日(日本時間同日)の段階でポストシーズン(PS)進出確率が10%以上ある13球団の打線を1位から13位まで独自にランキング。得点力、長打、走力、選球眼、三振率に加え、左右投手への対応力や後半戦の内容まで洗い出した〝忖度なし〟の評価で、トップに立ったのが鈴木誠也外野手(32)のカブスだ。

 カブスは1試合平均5・31得点、217本塁打、109盗塁、四球率10・6%と、パワーだけでなく足と出塁力も兼備。中でもPCAことピート・クロウ=アームストロング外野手(24)は文句なしにMVP筆頭候補級の働きで、記事ではwRC+((打者の得点創出力を平均100で示す指標)158、fWAR((打撃、走塁、守備を総合して勝利への貢献度を示す指標)10・6と突出した数字を紹介した。鈴木もfWAR4・3で主力の一角を担い、ロースター14野手のうち11人がリーグ平均を上回るwRC+を記録。上位だけでなく、どこからでも得点の糸口をつくれる層の厚さが1位評価の決め手となった。

 しかもカブスは24日(同25日)のマーリンズ戦を2―1で制し、2年連続のPS進出を決定。PCAは45本塁打に加えて40盗塁へ到達し、鈴木も本塁打を放った。短期決戦を目前に、ランキングを裏付ける形で打線が存在感を示した格好だ。

 一方、前年世界一のドジャースは2位。大谷翔平投手(32)が負傷者リスト(IL)から復帰し、周囲の主力も上向いている点は高く評価されたが、シーズン全体では得点4位、本塁打9位。大谷も前半戦OPS0・953に対し後半戦は0・795と落としており、「どこまで万全に戻っているか」が最大の焦点に挙げられた。豪華メンバーとPS経験では申し分ないが、現時点の総合打力ではカブスに一歩譲る判定となった。

 5年ぶりのPS進出を決めた村上宗隆内野手(26)のホワイトソックスは6位。30本塁打以上を3人そろえ、ア・リーグ最多得点を生んだ破壊力は本物だ。その反面、三振率24・2%は対象13球団で2番目に高く、若手中心の打線が短期決戦でこの弱点をどう抑えるかが課題となる。ホワイトソックスは24日にロイヤルズを9―1で下し、2021年以来となる「PS切符」を手にしている。

 名前の重さならドジャース、勢いならホワイトソックスも引けを取らない。それでも「1位カブス、2位ドジャース、6位ホワイトソックス」と並べた容赦ない序列は、10月の打線に問われるのが単なるネームバリューのみのスターの数ではなく、相手投手に切れ目なく圧力をかけ続ける総合力であることを浮き彫りにしている。