早くも暗雲だ。大相撲秋場所3日目(15日、東京・両国国技館)、綱取りに挑む大関霧島(30=音羽山)が幕内高安(36=田子ノ浦)の引き落としに屈して土がついた。取組後は「足が全く前に出なかった。明日から頑張ります」と気持ちの切り替えを強調したが、九重審判長(元大関千代大海)は「5日目までは1敗で抑えておかないと」と注文をつけた。
先場所は優勝決定戦に残ったとはいえ、12勝どまり。横綱昇進への〝起点〟とするには、物足りない成績に終わった。浅香山審判部長(元大関魁皇)は今場所での綱取りの条件として「ただ優勝するだけではなく、成績も相撲内容も必要」とレベルの高い結果を求めている。この日の黒星で、全勝Vの可能性が消滅。これ以上負けるようであれば、賜杯を抱いても肝心の綱取りムードがしぼみかねない。
実際、角界内では新たな横綱誕生に対する慎重論も少なくない。親方衆の間では「昨年だけで2人(豊昇龍、大の里)も横綱に上がっている。1年もたたないうちに安易に3人目をつくれば〝乱造〟と言われる」「(霧島は)全勝か14勝するぐらいでなければ『レベルが高い』とは言えないと思う」などの意見が相次いでいる。
先に横綱となった豊昇龍(立浪)は昇進後に優勝がなく、大の里(二所ノ関)も賜杯から遠ざかっているのが現状。綱の権威が揺らぎつつある中で、霧島は誰もが認める結果を残すことができるのか。早くも正念場を迎えた格好だ。













