落語家の林家菊丸が10日、大阪市内で「三代目林家菊丸独演会2026~上方人情噺の世界~」(11月23日=大阪・天満天神繁昌亭/11月28日=愛知・大須演芸場)の合同取材会に出席した。

 同公演は、芸歴32年になる菊丸が、毎年秋に開催してきた独演会だ。21回目の今回は、コロナ禍以降やっていなかったという二代目林家菊丸が作った人情噺「吉野狐」を繁昌亭で披露、大須演芸場では「幸助餅」を披露する。

 2か所で人情噺を選んだ理由について聞かれた菊丸は「師匠(四代目林家染丸)が芸歴60年、喜寿で本を出し、一門会も行ったことで、師匠への思いがわいてきた。温故知新みたいな気持ちが出てきた」と説明。

 名古屋で披露する「幸助餅」について「染丸が松竹新喜劇の(藤山)寛美先生の作品を落語にした作品。こんな時代だからこそ人情噺をやりたい」と言い、大阪公演の「吉野狐」について「花魁が主人公の若旦那に心底ほれて、追いかけてくる。いやらしくならないよう、美しくやりたい。ロマンチックでミステリアスにやりたい」と意気込んだ。

 今年から吉本興業の新人タレント養成所「NSC」に新設された落語の授業で講師をしているという。「教えるって勉強になる」と切り出し、落語のネタをしてみせて、生徒にアレンジさせてみると自分では思いもつかないネタになったと語った。

「若い人に落語は、見向きもされないんだろうなと思っていたんですが、(若者が落語を)知らなかっただけで興味を示すことができるんだなと思ってね」と授業を行った感想を述べた。

 上方落語の入門者は年々減少しているが、NSC出身のタレントのなかには月亭方正(NSC大阪校6期出身)のように落語家になった人もいる。

「NSCの生徒が『落語』もお笑いのジャンルの一つだと知ったら、ひょっとしたらそっち(落語)の世界で生きていくって人が現れるかもしれませんよね」と期待感を示し、自身も生徒と一緒に学んでいると語った。