【今週の秘蔵フォト】戦後の日本映画界を代表する大女優・岸惠子さんが8月7日に老衰のため亡くなった。93歳だった。岸さんは1932年8月11日、神奈川・横浜市出身。51年に「我が家は楽し」でデビュー。日本映画界の黄金時代にトップ女優となった。歩んできた足跡そのものが戦後の映画史のような大女優であり、53年の「君の名は」でヒロイン・真知子役を演じて一世を風靡した。

上品な笑顔を見せた岸惠子(77年)
上品な笑顔を見せた岸惠子(77年)
数学が苦手だったことも告白(77年)
数学が苦手だったことも告白(77年)

 77年12月25日付本紙には岸さんの貴重なインタビューが掲載されている。当時は横溝正史ブームで、岸さんは同年に「悪魔の手毬唄」に出演し「女王蜂」の撮影中だった。岸さんは家庭教師役を演じていた。

「でもね、あたくし、家庭教師なんてやったことがないでしょう。どういうイメージづくりをしたらいいのか、分からなくなって。女学生時代、数学が全然できなかったから、何だか恥ずかしくなっちゃって…。だから娘についていた家庭教師のことを思い浮かべたりしているんです。市川先生(崑監督)はひと昔前のヨーロッパの映画に出ている感じの女でいいとおっしゃってくれてるんですけどね」と上品な口調で語った。

 当時はパリ在住で名優アラン・ドロンとも交流があった。「ファンというよりもお友達の1人なんですけど…ウフフ」と堂々と明かしている。岸さんはその後も多くの大作で活躍。まさに日本が世界に誇る不世出の大女優であった。