「第175回芥川賞・直木賞」贈呈式が21日、都内で開催。「ゾンビ回収婦」で芥川賞を受賞した小砂川チト氏、「けんぐゎい」で直木賞を受賞した朝倉かすみ氏が登壇した。

 小砂川氏の「ゾンビ回収婦」は、VR世界を描いた小説。「支えてくださったすべての皆さまに、感謝の気持ちを伝えたい」とにっこり。

 普段の創作活動について「うまく書けずに、もがいたりする時間がほとんど」という。改めて「静かな生活と机の前にまた引き返し、泥臭く愚直に次の作品に取りかかりたい」と意気込んだ。

 朝倉氏の「けんぐゎい」は、江戸時代が舞台の時代小説。デビューから23年間、「直木賞には遠い憧れがあった。(受賞発表から)1か月たちますが、ずっと何となく驚いている」という。

「重みはまだピンと来ない」としながらも、「今とっても幸せです。厚く御礼、申し上げ奉りたいぐらいの感じ」と語った。

 祝辞は、芥川賞選考委員から島田雅彦氏、直木賞選考委員から桐野夏生氏が贈った。

 島田氏は、読後「我が家にゾンビの家政婦が来た夢を見た」とニヤり。作品について「文明批評としても読めるように仕上がっていることが、今回の大きな評価ポイント」と明かした。

 桐野氏は「人がうらやむ才能で、書き散らしたかのような迫力とパワーで満ちている」と評価。「周到な準備のもとに自由に書かれた傑作」と絶賛した。