九州プロレスに新人の関根泰誠が加わった。そんな中、TAJIRIが注目するのが梅紅陽だ。「ここ1年間は唯一の若手として、ただガムシャラに頑張っていればよかったと思うんですよ。でも後輩ができたことで、これからは梅なりのスタイルとか個性が出てくるといいですよね」。後輩ができたことで、むしろ梅のこれからが気になるようになったという。
では、自分のスタイルをどう見つけるのか。「まずは大まかな方向性を自分で決めることですよね。これは他人が決めることじゃないですから」。TAJIRI自身は浅井嘉浩(現ウルティモ・ドラゴン)に憧れ、ルチャの方向へ進んだ。梅は入門当初、ザック・セイバーJr.の名前を挙げていたという。「もし今でもザックが好きだとしたら、例えば複合関節技を数珠つなぎのように使っていくとか、そういう方向性もあるんじゃないですかね」。憧れたレスラーをまねし、そこに自分が持っているものを落とし込む。「その時に大事なのは、自分の『らしさ』を客観的に見られることだと思う」。その積み重ねが、独自のスタイルにつながっていく。
個性も大事だ。梅はおとなしく、表情やアピールも控えめだ。「そこも突き詰めていけば、逆に梅の個性になる可能性もあるんじゃないですかね」。キャラクターは、力を入れて自分をアピールするだけで出来上がるものではないという。「いろんな場面でどう反応するか。その積み重ねでできていくものなんですよ」。さらに、プロレス界で語られるこんな言葉を挙げる。「よく『ほうきを相手にプロレスをする』って言うじゃないですか。あれも、ほうきを相手にする人間がどう反応するかを見せるものなんでしょうね」。技だけではなく、人間そのものをどう見せるのか。TAJIRIが大切にしているプロレス観がそこにある。
そして、新人の関根が加わった今だからこそ、梅への関心は強くなっている。「自分の中では、デビューした関根よりも、むしろこれから難しくなる梅の方に意識が向いているんです」。その理由についても、自ら問いかける。「なんで梅のことがこんなに気になるのかなって。そのあたりにも、これから梅がどういう方向へ進んでいくのか、何かヒントがあるような気がするんですよね」。梅がどんな「らしさ」を見つけていくのか。その答えだけでなく、なぜ今これほど気になる存在なのかというところにも、TAJIRIは何かを感じているようだ。












