これぞ王者の強さだ! 明治安田J1リーグ第1節で、2025年王者の鹿島が横浜M戦((7日、MUFG国立)に4―3で劇的な勝利を収めた。Jリーグ発足の1993年から1度も降格経験のない名門同士の争いは激しい打ち合いとなったが、2―3で迎えた後半アディショナルタイムにFWチャブリッチが2ゴール。王者が土壇場の逆転で、連覇へ向けて好発進となった。

 Jリーグ史上最多となる6万3960人が見守った大注目の一戦は、25年王者・鹿島が苦しむ展開で始まった。前半7分に16歳のMF三井寺眞に先制を許す。同11分には左サイドからFKを獲得すると、昨季得点王のFWレオセアラが右足で押し込んだ。ところが、同18分に再びリードを許し、なかなか流れを変えられず。さらに追い打ちをかけるように、後半13分に3点目を奪われた。

 1―3となるいわゆる負けパターンの展開だが、後半中盤に飲水タイムを挟むと、押し込む時間帯が増えていく。同36分には、FW鈴木優磨が放ったシュートがゴール枠に当たり、レオセアラがとっさに反応して右足で押し込んだ。2―3でアディショナルタイムに突入し、攻める展開が続く。すると、鈴木のシュートが相手の手に当たり、PKを獲得。途中出場でキッカーのチャブリッチが冷静にネットを揺らして同点に追いついた。

 勢いそのまま、試合終了間際には、再びチャブリッチが逆転弾を決めて大熱戦を制した。采配がズバリ的中した鬼木達監督は「(相手が)疲弊していたので、後ろに重くなる必要ない。攻撃のパワーを使おうと思っていた」と、チャブリッチらを途中起用した意図を説明。その上で「出た選手が必死にチームを勝たせようとする姿勢が素晴らしかった。90分出た選手も、少ない時間の選手も〝勝利のために〟というのは鹿島イズム」とイレブンをたたえた。

 殊勲のチャブリッチは「チャンスがくると信じて、実際に最後に決めることができた。素晴らしい試合だった」と胸を張った。2得点に絡んだ鈴木は「前半は、みんながいてほしいところにいなかった。そこは後半に修正できた。(相手が)4、5人足をつったので、畳み掛けるチャンスだと思った」と追い上げを見せた後半の修正を振り返った。

 望んだ展開ではなかったとはいえ、連覇へ向けてしっかり白星発進。指揮官は「本来はこういう勝ち方ではなく、締まったゲームでいきたいが、勝ち続けて連覇を成し遂げたい」と力を込める。エースFWは「まだ修正点はあるが、開幕戦で大勢の人が見ている中で鹿島の底力をあるのは示せた。それはよかった」とうなずいた。

 波乱の一戦を制した鹿島が、今季もタイトル獲得へ向かって突き進む。