欧州サッカー連盟(UEFA)がW杯ボイコットを正式に決議した。国際サッカー連盟(FIFA)はW杯など主要国際大会の運営と商業活動を担う評価額200億ドル(約3兆2000億円)の子会社「FIFAフォワード・エンタープライズ」(FFE)を設立する計画を発表した。しかも、その株式を民間に売却する方針を決めたことにUEFAが猛反発。30日に緊急会議を招集し、FIFA主催大会への不参加を決定するなど大きな波紋が広がっている。
FIFAのジャンニ・インファンティノ会長がW杯の運営などを担う新会社「FFE」の設立と、その株式約20%を民間投資家に売却する方針であることが判明。これに猛反発するUEFAはこの日、オンラインで実施された緊急会議で、加盟する55団体がFIFA主催大会へのボイコットを満場一致で決めた。
UEFAは声明で「W杯は投資商品として扱うことはできない。W杯はサッカー界における最も偉大なスポーツ遺産だ。何世代にもわたり、あらゆる大陸の選手、代表チーム、そしてサポーターによって築き上げられてきた。その一部たりとも民間投資家に譲渡されるべきではない。W杯は売り物ではない」とし「民間の投資家がFIFA大会の所有権を得た瞬間からサッカーが変わってしまう。商業的な利益は永続的な義務となり、投資家の期待は重圧に変わる」と警告した。
その上で「議論の結果、これらの提案が有効な間はUEFA加盟国の代表チームはFIFAの大会に参加しない」と表明。ボイコットは男女W杯やクラブW杯を含むFIFA主催の全大会となる。9月のU―20女子W杯(ポーランド)や10月の女子W杯プレーオフも対象でFIFAが新会社に関連する提案を取り下げない限り、欧州チームは不参加を続けるという。
UEFAは「サッカーにとってこれほど重要な提案が秘密裏に、そしてサッカーを統治する人たちとの協議なしに考案されたことは無責任で弁解の余地はない」とし「これは民主主義的な決定ではなく威嚇による統治であり、世界的な競技運営を担う機関としてふさわしくない強制行為だ」と糾弾。改めてFIFAとインファンティノ会長を激しく非難した。
今夏の北中米W杯8強には優勝したスペインをはじめ強豪のイングランド、フランスなど欧州6チームが入った。UEFAのローラ・マカリスター副会長はFIFAの提案について「サッカー界存亡の危機」と主張。またアジアサッカー連盟(AFC)や北中米・カリブ海連盟(CONCACAF)も、FIFAの計画について支持しないことを表明するなど、世界中から不満の声が高まっている。
英メディア「BBC」によると、FIFAが提案した新会社FFEの株式売却は、米ドナルド・トランプ大統領の義理息子ジャレッド・クシュナー氏の弟ジョシュア・クシュナー氏率いる「Thrive Eternal」が主導する予定という。インファンティノ会長は自身のSNSを更新し「FFEは実際に提案であり、申し出です。何よりも義務ではなく機会です」とし「これまで活用されていなかった商業価値を引き出すことです」と説明した。
各方面から反発を受けるFIFAは提案を撤回するのか。世界最大規模のスポーツ大会をめぐってサッカー界は大きな岐路に立たされている












