九州プロレスの阿蘇山について、TAJIRIが真っ先に口にしたのは「たぶん、日本人レスラーで一番頑丈だと思うんですよ」という最大級の賛辞だった。その言葉の裏には、初めてシングルマッチで向き合った時の鮮烈な記憶がある。
TAJIRIが他団体の立場で九州プロレスのリングに上がり、阿蘇山と対戦した際、最も驚かされたのは試合運びだった。アメリカで長く活動し、本場のプロレスを体感してきたTAJIRIですら「完全にアメリカンスタイルなんです」と舌を巻いた。「すごい手が合って、やりやすくてですね。逆に『なんでこんなうまいんだ、この人』って」。日本のリングでキャリアを重ねてきたレスラーという印象だっただけに、その巧みなファイトは予想を大きく覆した。
その理由についても「昭和の人なんで、見てたプロレスが日本人と外国人で、昔の日本のプロレスって、実はアメリカンスタイルに結構近いじゃないですか。それがもう完全に体に染み付いてる」と分析する。TAJIRIは阿蘇山について、「一番やりやすかったですね」と振り返る。数多くのレスラーと対戦してきたTAJIRIにとっても、特別な存在だった。
もちろん、TAJIRIが阿蘇山をそう語る理由は技術だけではない。「誰よりも体が頑丈な人だと思う」。技術だけでなく、その強さと頑丈さもTAJIRIが阿蘇山に賛辞を送る理由の一つだった。
リングで見せる動きからは実年齢を想像しにくい阿蘇山。TAJIRIは「年齢は公表されていませんけど、されたらプロレス界の常識がひっくり返ると思います」と笑みを浮かべる。
最後は、その風貌にも話が及んだ。「あのビジュアルもカッコいいじゃないですか。俺、阿蘇山が超合金になったら絶対に買います」。TAJIRIが阿蘇山を語る言葉は、最後まで尽きることがなかった。












