防衛省統合幕僚監部は21日、中国海軍とロシア海軍の艦艇計4隻が19日に沖ノ鳥島(東京都)の南西約330キロの海域を航行し、このうち中国海軍のルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦1隻が、同島南西約180キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で射撃訓練を実施したのを確認したと発表した。
防衛省・自衛隊は、海上自衛隊第2水上戦隊所属の護衛艦「さみだれ」により、警戒監視と情報収集を行った。中国艦艇による日本のEEZ内での射撃訓練を確認し、公表するのは初めてという。日本政府は、周辺船舶の航行に危険を及ぼす可能性があるとして、外交ルートを通じて中国側に申し入れを行った。
東京都小笠原村に属する沖ノ鳥島は、環礁上にある2つの小さな岩から成る。国連海洋法条約では自然に形成され、満潮時にも海面上にある陸地を「島」と定義していることを根拠に、日本は沖ノ鳥島を島と位置付けている。波による浸食を防ぐため、コンクリート護岸や消波ブロックなどを設置し、保全工事を続けている。一方、中国は「人工構造物によって維持された岩礁であり、EEZは認められない」と主張している。
中国外務省の林剣報道官は21日の記者会見で、「国連海洋法条約によれば、沖ノ鳥は島ではなく岩礁であり、EEZや大陸棚を有しない。日本が沖ノ鳥礁を根拠にEEZを主張することは国際法違反だ」と主張。さらに「日本は他国の正当かつ合法的な活動を中傷・誇張し、外部の脅威をあおって、自国の再軍事化や戦後国際秩序への挑戦の口実を探している」と批判した。
日本側はEEZ内で中国軍が射撃訓練を実施したのを初めて確認したと発表したのに対し、中国側は「そこはEEZではなく公海であり、訓練は国際法に基づく合法的な活動だ」と反論しており、双方の主張は真っ向から対立している。今回の問題は、沖ノ鳥島の法的地位をめぐる従来からの対立が、射撃訓練をめぐる問題として改めて表面化した形だ。
なお、沖ノ鳥島が国連海洋法条約上の「島」に当たるのか、それとも「岩礁」に当たるのかについては、これまで国際司法裁判所(ICJ)や国際海洋法裁判所(ITLOS)などによる司法判断は示されていない。












