“神の子”がチームに凱歌をもたらした。北中米W杯決勝トーナメント(T)1回戦で、前回カタール大会優勝のアルゼンチンが初出場のカーボベルデに延長戦の末、3―2で辛勝。ベスト16に進出した。前半29分にFWリオネル・メッシ(39=マイアミ)の今大会7ゴール目で先制。これで得点ランキングで6ゴールのフランス代表FWキリアン・エムバペ(レアル・マドリード)を上回り、単独トップに浮上した。2大会連続Vと得点王の偉業達成へ弾みをつけた。

 アルゼンチンは1次リーグJ組を全勝で首位通過。GKボジニャ(チャベス)の奮闘もあり、H組を無敗で2位通過したカーボベルデと激突した。この日もアルゼンチンサポーターの地鳴りのような大声援が鳴り響く中、メッシを中心に攻撃を続ける。

 前半29分、DFリサンドロ・マルティネス(マンチェスター・ユナイテッド)のロングパスに、抜け出したメッシが左足で絶妙なトラップ。そしてボジニャとの一対一を左足で冷静に決めた。これでW杯個人通算20ゴール目となった。

 しかし後半14分、カーボベルデにパスをつながれ、最後はMFデロイ・ドゥアルテ(ルドゴレツ)に右足で同点弾を決められる。勝ち越したいアルゼンチンは、同18分にペナルティーエリア中央からメッシが右足を振り抜くも、ボジニャにファインセーブされる。さらに同28分にFKを獲得し、メッシがゴール右に狙ったがボジニャに再びスーパーセーブされた。

 90分では決着がつかず、1―1で延長に突入。延長前半2分、メッシの左CKからLi・マルティネスが左足を豪快に振り抜き、ゴールネットを揺らした。同13分にはDFシドニー・ロペスカブラル(ベンフィカ)に左サイドからドリブル突破され、右足でスーパーゴールを決められた。それでも延長後半6分、メッシの左CKからオウンゴールで勝ち越しに成功した。

 快進撃を続けたカーボベルデ戦を前に、リオネル・スカロニ監督は「彼らはまだ一度も負けていないチーム。守備が堅く、カウンターも鋭く、ボールさばきのうまい選手を擁している。我々は彼らを分析しているが、手ごわい相手だ」と力説していた。堅守が持ち味の波に乗る相手を執念で下した。

 アルゼンチンは7日(日本時間8日)の決勝T2回戦で、FWモハメド・サラー(リバプール)を擁するエジプトと対戦する。メッシが“英雄対決”を制し、母国を再び頂点へ導けるか。