政界はまさに“超過渡期”を迎えている。連立政権の構成が変わり、高市早苗首相が率いる自民党は衆院選で、316議席獲得という歴史的大勝を収めた。野党を巡る情勢も大きく変化し、第一党の立憲民主党は衆院で公明党と手を組み、中道改革連合を結成するも惨敗。参院や地方議会では両党の合流が進んでいない。選挙から1か月たった今、その敗因を元立憲民主党で、元衆議院議員の山尾志桜里氏が分析した――。

 山尾氏は、立憲について「自己変革しない他党依存体質」が一貫して問題だと話す。

 これまでも選挙の際には、共産党と政策的な協定を結び、その代わりに支援をもらい、候補者調整してきた。「今回はそれが共産党から公明党に替わっただけ」という。そこでも「本来なら、立憲自ら安保法制の廃止を取り下げて、現実路線への転換を図るべきだったのに、最後まで自己変革できなかった」。

 その理由は、党内の左派を必死に説得しようとする人材がいなかったと分析する。左派には、民主党政権時代(2009~12年)の失敗を経験していなく、観念的平和主義者の若手が多いという。この左派に対し「辺野古問題などで挫折を味わい、現実路線への転換の必要性が骨身にしみたはずのベテラン議員が、心を尽くして説得していく必要があった。これをやれば、党内論議を尽くした自己変革は可能だったと思う」。

 そして選挙直前、いわば議論の時間すらない“緊急事態”を活用して「公明党という外圧を利用して、左派から中道に変わろうとした」と語る。しかし、党内からは“私は変わらない”宣言が続出し、亀裂は丸見えだった。「選挙のために一時的に中道を名乗ってはいるが、その看板は偽りか?と国民から信頼されなかった」。しかも「二重に負けた。左派も離れ、本当の中道を求める人たちもついてこなかった」とまとめた。

“復活の道”はあるのか。山尾氏は「まず、改めて本当に中道のスタンスを取りにいくのであれば、政治行動で明らかにしないといけない」と語る。

 例えば「消費税をめぐる国民会議にも、緊急事態条項を議論する条文起草委員会にも、議論に反対する政党ではなく、解決策を手に参加し、貢献する政党であると行動で見せる」と提案。「中道に足りないのは、変わりたいという自分の意思を示す政治行動だ」と訴えた。

 今後の衆院選の展望についても解説した。「2012年以降、衆院選は、現実的な政権選択選挙になっていない。今後も当面は、野党内リーグ戦になるだろう。政権交代を担うことのできる野党第一党を国民が見極めていく準決勝だ」と指摘した。

“超過渡期”となった今、「中道、国民民主、チームみらい、参政党、共産党など、それぞれが準決勝を勝ち抜いていくしかない。そして選挙を通じた国民の判断が、野党第一党を磨きあげる。政権交代はその後かなと」と分析した。

 実際の行動が大事というわけだ。