2022年北京五輪でドーピング違反処分が下されたカミラ・ワリエワ(ロシア)が、中国で大フィーバーを巻き起こしている。
ロシアメディア「ソブスポーツ」は「国際女性デー(3月8日)の前夜、カミラ・ワリエワが中国に到着すると、空港はたちまちお祭りムードに包まれた。ターミナルを出る前から、横断幕や花束を持ったファンが「K―Bao!(ワリエワの愛称)」のかけ声とともに彼女を取り囲んだ。彼女は笑顔でサインをして、ぬいぐるみから丁寧に包装されたお菓子やアクセサリーまで、大きなギフトバッグを受け取っていた」と訪中したワリエワが熱烈な歓迎を受けた様子を伝えた。
ワリエワは中国でイベントやアイスショーに出演する予定。「カミラはすでに上海のアイスリンクでトレーニングを開始しており、中国のファンはソーシャルメディアで彼女の一挙手一投足を話題にしている。今回の遠征に限った話ではない。中国国民のワリエワへの愛は遥か以前から始まっており、それ以来ますます強まっている」とワリエワの人気が社会現象になっていると指摘した。
いったいなぜそこまで人気なのか。「2022年北京冬季五輪が、大きな転機となった。15歳のカミラは氷上で完璧な高さと回転を必要とする稀有な4回転ジャンプを成功させた。さらに、これほど高いレベルで習得できる選手はごくわずかであるトリプルアクセルも成功させた。ショートプログラムでは90点以上を獲得し、2位に大きく差をつけた。スポーツを見る目が肥えている中国の観客は大喜びした。ロシアのフィギュアスケーターの名前は、瞬く間に中国版SNS『ウェイボー』のトレンドトピックとなった。ユーザーたちは、彼女はまさに天才で、才能豊かで純粋、そして信じられないほど強いとコメントした」と北京五輪での圧倒的演技で人気が爆発したという。
「中国ではフィギュアスケートはニッチなスポーツだった」と不毛の地だったが「ワリエワの活躍により、すべてが変わった。学校やクラブは子供たちの入学希望者数が急増し、放送は記録的な視聴率を記録し、アイスショーはもはや珍しいものではなくなった。カミラはジャンプだけでなく、氷上で物語を語る力で、この盛り上がりを象徴する存在となった。中国人は彼女を、スポーツが美しく、感動的で、誰もが楽しめるスポーツであるという好例と捉えたのだ」と中国の社会構造を変えるほどの影響力をもたらしている。
しかし、ここで疑問が残るのがドーピング問題だ。ワリエワは4年間の出場停止処分を受け、表舞台からは姿を消した。にもかかわらず、なぜ中国では今でも人気が加速しているのか。
同メディアはこう解説する。「中国のファンの多くにとって、ドーピングスキャンダルは選手の罪というよりも政治的な問題だ。ファンクラブはスケーターのピュアさ、純粋な才能を応援している。出場停止後も彼らは彼女に背を向けることはなく、むしろワリエワへの関心を高めた。カミラはさまざまな状況の〝犠牲者〟だったと多くの人が考えている。それでも彼女は尊厳を保ち、仕事を続けたと」
中国では、ワリエワのドーピングは仕組まれたもので本人に非はないという論調で、人気に全く影響はないようだ。中国でのフィーバーが、30年フランス・アルプス地域で行われる五輪を目指すワリエワの後押しになるか。












