ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子で個人の中立選手(AIN)として出場するロシアのアデリア・ペトロシャン(18)を、〝疑惑の名伯楽〟エテリ・トゥトベリーゼ氏が〝指導〟して物議を醸している。
ペトロシャンは16日に初めて練習を公開。フリーの曲に合わせて4回転トーループをしっかり決めるなどロシア勢伝統の技術の高さを見せつけた。ただ報道陣の取材には応じなかった。
ウクライナ侵攻によりロシア選手が国際大会に出場禁止となり、今回は中立選手として出場が認められたが、国際大会に出ていないペトロシャンは謎のベールに包まれたままだ。
そうした中、ペトロシャンを巡ってある人物の存在がフォーカスされている。前回2022年北京五輪でドーピング違反となったカミラ・ワリエワを指導したロシア屈指の指導者トゥトベリーゼ氏だ。ワリエワはドーピング騒動当時に15歳だったことからトゥトベリーゼ氏も関与していると世界中のメディアが追及したが、最終的に違反行為の認定には至らなかった。その後はロシア勢の出場禁止を受けて国際舞台からは姿を消していたが、今大会は男子ジョージア代表のニカ・エガゼのコーチとして資格認定され電撃登場。ただ、世界反ドーピング機関のバンカ会長は会見で「この人物がドーピングに関与した証拠は見つからなかったため、五輪から排除する法的根拠はない。ただ個人的な感想には、彼女が五輪にいることに違和感を覚える」と不快感を示し話題を呼んだ。
そうした中、ロシアメディア「スポーツエクスプレス」は「ペトロシャンが最初のトレーニングを開始。彼女にはコーチのダニイル・グレイヘンガウス(トゥトベリーゼ氏チームの振付師)とエテリ・トゥトベリーゼが同行する」と速報。さらにリンクサイドで、トゥトベリーゼ氏がペトロシャンに熱心にアドバイスして〝指導〟するシーンの動画を投稿した。
しかし、トゥトベリーゼ氏はジョージア代表コーチとして資格認定されており、ペトロシャンの正式なコーチではない。公式セッションではないため〝グレーゾーン〟ではあるが、この指導について米放送局「NBC」は「北京五輪での行動で多大な批判を受けたトゥトベリーゼは、ミラノで2人のスケーターを指導」と取り上げ、米メディア「オスカルーサ・ヘラルド」は「国際スケート連盟(ISU)は、9月に優勝した五輪予選大会でペトロシャンに中立選手資格を付与する前に審査を実施したが、その際、彼女の随行者リストにはトゥトベリーゼの名前は記載されていなかった。国際オリンピック委員会(IOC)は、五輪におけるコーチの認定を管理しており、トゥトベリーゼはジョージア男子スケーターのコーチとして同大会に参加している」と疑問視した。
一方、「スポーツエクスプレス」は「ミラノでエテリが愛弟子と練習することを許されなかったら、非常に奇妙なことだっただろう。〝カミラ・ワリエワ事件〟がまだ続いているのなら、なぜロシア人コーチがジョージアチームを助けているのか? 他チームの代表者が中立選手と交流することは許されていない。だがラファエル・アルトゥニャンがピョートル・グメンニクに指示したのと同じだ。二頭政治で指導者がボードの後ろにいるのは理にかなっており、公平である」とその正当性を主張した。
鉄の女のもとでペトロシャンはどんな滑りを見せるのか。












