ミラノ・コルティナ五輪スキージャンプ男子個人ノーマルヒル(NH、9日)で金メダルを獲得したフィリップ・ライムント(ドイツ)が観客たちから罵声を浴び、憤慨している。

 ノーマルヒル金メダルのライムントは2つ目の金を狙い14日の男子個人ラージヒル(LH)に挑んだが、9位だった。ドメン・プレブツ(スロベニア)が金メダル、二階堂蓮(日本ビール)が銀メダルだった。

 試合後、自国メディアにライムントが観客からの仕打ちを吐露した。ドイツメディア「スポーツ1」によると、スロベニアのファン約20人がジャンプ後のライムントに対し「ノー! ノー! ノー!」と一斉に罵倒。同メディアは「ジャンプ後、ライムントは9位で不機嫌だったが、スロベニアのファンからの悪意のある罵声にも耐える必要があった」と報じた。

 ライムントは観客からの仕打ちについて「まあ、彼らは1月のフライング世界選手権でのことを理由に、私に『ノー!、ノー! ノー!』と叫んでいた」と憤慨した様子で語った。

LHを制したスロベニアのドメン・プレブツ(ロイター)
LHを制したスロベニアのドメン・プレブツ(ロイター)

 ライムントが示唆した騒動は、1月に行われたフライング世界選手権(オーベルストドルフ)でのこと。団体でプレブツがジャンプの数分前にスキー板をジャンプ台から滑り落とすミス。その際、スイスのFISコーディネーター、フーベルト・マティス氏が、プレブツに対して、ジェスチャーと「ノー」の連発で棄権扱いとした。これを恨んでいたスロベニアファンの不満の矛先が、なぜかドイツ人のライムントに向かったわけだ。罵声を浴びたライムントは「私は彼らに『彼(コーディネーター)はスイス人だ。私は彼とはまったく関係がない』と伝えた。プレブツが優勝した後、私にそのことを非難するのは非常に不適切でまったく不必要だと思うが、それは人間的な弱さを表している」と憤慨した様子で語った。

 ちなみにライムントはプレプツとの関係について「ドメンとはまったく問題ない。私は彼がとても好きで、一般的にどのジャンプ選手ともうまくやっていける。ファンたちは時々、少し権利を主張しすぎていると思う」と冷静に語っている。