【イタリア・リビーニョ15日発】“準備力”で勝ち取った表彰台だ。ミラノ・コルティナ五輪のフリースタイルスキー男子デュアルモーグルが行われ、堀島行真(28=トヨタ自動車)が銀メダルを獲得。銅メダルだった12日のモーグルに続き今大会2個目、通算でも3個目のメダルとなった。大舞台でエースの存在感を示した堀島は、時差や天気、気温などあらゆる側面を事前に分析。緻密な計画を練った上でスタート台に立っていた。

 ミカエル・キングズベリー(カナダ)との決勝では、中盤のターンでバランスを崩すまさかの展開。悔しい形で初代王者の座を逃すも、表情は晴れやかだった。「五輪という舞台でメダル圏内に入り続けることは、どれだけ難しいか僕自身も分かっている。金メダルではなかったけれど、最低限のメダル獲得を常に頭に入れてやってきたのは形になっているんじゃないかな」と振り返った。

 3度目の五輪に向けては、一昨年からノルウェーに拠点を変更。悪天候でも関係なく練習ができる屋内施設で大技・コーク1440などに磨きをかけるのが目的だった。「よりスキーにフォーカスしていくかと考えた時に、ノルウェーに拠点を変えたこととつながる。いつでもスキーができる場所で滑走日数を稼いでいる」と狙いを語った。

 時差の観点からもノルウェーに身を置くことはメリットが大きかった。イタリアから見て北部に位置するノルウェーとの時差はなし。ミラノ・コルティナ五輪のスケジュールが確定後は、午前中に多くの練習を消化。「何の課題を持って、その課題をつぶすにはどこが一番成果になるかと考えている」と細かな部分にも気を配ってきた。

 過去2大会はアジア圏で五輪が実施されたものの、今回は欧州圏が会場。言語の違いや環境の違いなども想定していた。「言語の差はあるだろうから、イタリア語がちょっと分かるかなとか、現地の施設がどんな環境のコースなのかとかは見ていた。雪質もアジアと違って、どうなのかというところも加味して見ていた」と明かした。

 もちろん頻繁に現地へ足を運ぶことはできない。そこで事前に天気もできる限りチェック。「例えば1か月に1回はその土地の天気を調べてみるとか、行かなくてもできることは山ほどある。気温を記していって、1月、2月、3月はどういう気温の変化があるのか。試合の日はどれぐらい気温の変化はあるのかとか、その日ごとに違う可能性はあるのかとかを見ていた」と不安要素をつぶしていった。

 目標の金メダルには、あと一歩届かなかった。それでも収穫はあった。「苦い経験とか、どんな強い力でやっていければ金メダルに届くんだろうと、すごい想像力が湧く一日になった」。次なる戦いへ希望が差した瞬間だった。