大相撲、プロレス、総合格闘技で活躍し〝借金王〟の愛称で親しまれた安田忠夫さんが10日までに死去したことが分かった。62歳だった。関係者の話を総合すると、安田さんは都内の自宅で亡くなっている姿が発見された。亡くなる直前まで警備会社で働いていたという。

 安田さんはギャンブル好きとして知られ、家族とも絶縁し「借金王」の異名もとった。2007年10月5日には都内の自宅で倒れているところを田山正雄レフェリー(55=フリー)に発見され、救急車で病院に運ばれていたことが判明。田山レフェリーは安田さんから死をほのめかすようなメールを受け取り、安田さんの自宅に駆け付け、命を救った。

 安田さんが現役時代、最も心を開いた人物で、命の恩人でもある田山レフェリーは安田さんの訃報に「あの人が長生きしたら不公平だと思っていたけど、あまりにも急で…」と唐突な別れを悲しんだ。

 そんな田山レフェリーも安田さんとは15年8月に開催されたイベントで会ったのが最後。ここ10年は音信不通だったというが「3日前に車を運転している時、なぜか急に安田さんのことを思い出した。何やってるんだろうな~って」と〝虫の知らせ〟があったと明かした。

「安田さんはダメ人間ですが、間違いなくいい人でした」と断言する田山レフェリーは〝借金王〟らしいエピソードも披露。「僕が落ち込んでいる時は飯をおごってくれた。でもその金はよく考えたら僕が貸したお金だった」「安田さんの試合はセコンドもお客さんも、安田さんがフォールされると『返せ!』『返せ!』とよく盛り上がっていた。でもこれ、『金返せ!』の『返せ!』で、リングの周りは借金取りだらけっていう時もあった」

 波瀾万丈の人生を送った安田さんは決して憎めない男だったようだ。