【イケメンドクター・吉田眞の医学情報のウソ!ホント?】

 精神科に分類される病気の中に「PTSD=外傷後ストレス障害」があります。大事故や虐待など、死を感じさせるほどの恐怖を経験した後に、年単位の心の後遺症が残ってしまう病気です。特定の刺激で、当時の悲惨な状況が鮮明によみがえり、恐怖や不安、不眠をもたらします。発作を起こすきっかけは、光や音、匂いなどが多く、テレビに映る情景や出演者のセリフが過去の記憶を引き出してしまう場合もあります。

 PTSD患者は、いつ起きるか分からない発作を恐れるあまり、酒におぼれたり、性格そのものをゆがめてしまいがちです。さまざまな治療法が出てきたので大きく人生を狂わす人は減ってきているようですが、再発の可能性はあるので要注意です。

 テレビドラマはチャンネルさえ変えれば無害になるため、理論的にはPTSDを“作り出す”ことはありません。しかし不愉快な記憶を呼び起こすきっかけにはなり得るので、刺激的な表現には注意が必要なのです。

☆よしだ・しん=総合診療科医を経て、現在は精神科医。非常勤医師として、刑務所、少年院、ホームレス支援施設、高齢者の在宅診察などに従事し、精神医療のディープな部分につかる。2009年にはラジオパーソナリティーを務めた。