今夏に北中米W杯が開催されるメキシコのサッカースタジアムで武装集団による銃撃事件が発生し、W杯開催へ向けて治安上の懸念が高まっている。

 欧米メディアは25日に事件の発生を一斉に報道。メキシコ中部グアナフアト州サラマンカにあるサッカースタジアムで試合中に銃撃があり、これまでのところ少なくとも11人が死亡し、12人が負傷したと伝えられている。現在、警察などが捜査を進めている。

 英紙「ガーディアン」は「グアナフアト州は昨年、メキシコで最も多くの殺人事件を記録した。地元のギャング、サンタ・ロサ・デ・リマは、強力なハリスコ・ニュージェネレーション・カルテルと戦っている」と事件の背景に麻薬カルテルの存在を指摘。グアナフアト州中部サラマンカ市のセサル・プリエト市長は「残念ながら、当局を従属させようとしている犯罪集団が存在するが、彼らはそれを達成できないだろう」と組織との徹底抗戦を強調した。

 気がかりなのは、メキシコが今夏のW杯を同国各地で開催することだ。日本代表も6月20日(日本時間同21日)に1次リーグ第2戦チュニジア戦を同国のモンテレイで戦うことが決まっており、同地での事前合宿も検討中だ。モンテレイは今回事件のあったグアナフアト州と距離的に近くはないが、同じ中部に位置しており麻薬カルテルがばっこして治安に不安がある点は共通している。

 インドメディア「アウトルック」は「サッカー場での致命的な銃撃事件、2026年W杯を前にメキシコ中部に衝撃」とW杯へ向けて危惧。「日曜日、メキシコ中部で行われたサッカーの試合中に武装した襲撃者が発砲し、少なくとも民間人11人が死亡、12人が負傷した。地元当局はこの襲撃について、犯罪暴力の波が悪化していると述べている」と強調した。

 そして「メキシコは、6月11日から7月19日に開催されるW杯の開催国の一つだ。開催国メキシコは、アゼトカで南アフリカと対戦し、大会の開幕を飾る予定だ」と伝えている。

 メキシコに対しては米国による軍事介入の可能性も引き続き取りざたされており、W杯に向けて現地の治安に不安が高まるばかりだ。