日本勢の快挙へレジェンドの期待も高まっている。開幕まで2週間あまりとなった2026年ミラノ・コルティナ五輪は、20年ぶりにイタリアで開催される。06年トリノ五輪フィギュアスケート女子で金メダルを獲得した荒川静香さん(44)が単独インタビューに応じ、日本代表にエールを送った。悲願の団体金メダルに向けたポイントや、男女シングルの個人戦で選手たちが秘める可能性を熱弁。イタリアで自身が20年前に経験した〝ハプニング〟も明かし、その打開策を伝授した。
――団体戦では初の金メダルも見えている
荒川さん(以下荒川)日本の男女シングルが強いことをみなさんご存じだと思うが、ペアも(個人戦の)金メダル候補になった。ずっと強い時代が続いていたが、ペアも強くなってきて、団体戦の金メダルという一つの目標にも近づいていると思います。
――金メダルのカギはどこにあるのか
荒川 ペアの五輪出場枠が2つあるのでりくりゅう(三浦璃来、木原龍一組)だけに負担をかけず、力を合わせて金メダルに挑めるところが強み。男女シングルのショートプログラム、フリーに誰が出るのか、戦略は直前まで分からないが、誰が出ても高い実力を持ったメダル候補の選手なので、金メダルにチャレンジできると思います。
――男女シングルの個人戦はどう見ている
荒川 みんなシーズン序盤から仕上がっている状況で(17歳の)中井(亜美)選手はシニア1年目のシーズンなので、2月にピークを持っていけるかどうかが気になるが、ピーキングがあまり必要じゃない年代かもしれないので、駆け抜けられるのでは。坂本(花織)選手のような経験のある選手は、ピーキングのつくり方がわかっている。坂本選手は2022年北京五輪でもメダリストになっているので、金メダルを狙う実力はあるし、世界王者に3回なっていて、集大成として臨む大会かなと思います。
――ともに海外勢は米国がライバルになる
荒川 直近の世界王者は男子がイリア・マリニン選手で、女子はアリサ・リュウ選手。マリニン選手はハイリスクハイリターンの構成で挑んでいて、リュウ選手は安定かつ自信のあるエレメンツで挑んでいる。ただ、日本の選手たちのスケーティング技術や、スピンやステップといったところも全く引けを取らないし、むしろ上回れる選手も複数いると思います。
――イタリアでは06年トリノ大会以来の五輪だ
荒川 普段、フィギュアスケートを好きで追いかけている方だけではなく、いろんな国の方が応援しに来るので、普段とは違った声援も聞けるのが五輪ならではの面白さ。でも、生活はサバイバルで、私の時は電力の問題でエレベーターが使えなかったり、ドライヤーを1フロアで1人しか使えなかったり、フラストレーションがたまる環境でしたね(笑い)。
――リンク外での戦いも重要になるのか
荒川 普通ならなかなか味わえないことを面白い経験だなと思えるかどうかで、だいぶ自分にかかるストレスが変わってくる。どんな選手村か、どんな環境かはわからないけど、今大会は食事面で味の素さんがサポートしてくれる非常にありがたい環境なので、選手たちは使えるものをフル活用して、いいコンディションで挑んでほしいです。
☆あらかわ・しずか 1981年12月29日生まれ。東京都出身。2004年世界選手権で日本勢3人目の優勝。五輪は98年長野大会、06年トリノ大会に出場。トリノ五輪では同競技アジア勢初の金メダルを獲得し、得意技「イナバウアー」が流行語大賞になるなど社会現象を巻き起こした。ミラノ・コルティナ五輪は日本テレビ系のメインキャスターとして、各競技の魅力を発信する。














