【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。フジテレビの一連の問題を巡って芸能界を引退した中居正広氏が、約400日の沈黙を破り一部メディアの取材に応じましたね。今は芸能界を引退した身。多くは語りませんでしたが、報道を通じてファンに「大丈夫」とメッセージを送りました。沈黙したままではファンの不安や心配は高まるばかり。そんな気持ちを配慮しての「大丈夫」だったのでしょう。
そこで今週は、“沈黙”が物語のテーマとなる今月2日公開の映画「ヴィレッジ 声帯切村」を紹介します。
映画は、独自の信仰から住人の声帯を切り裂き声を出すことを禁じるというカルト村が舞台。儀式のいけにえに選ばれた女性が村からの逃亡を図るサバイバルホラーです。今作のポイントはやはり沈黙するという恐怖にスポットを当てた点です。今までホラーの演出というと「キャー」とか「ワー」とか音で驚かせるのが基本でした。本作はその定石を使わず、みんなが沈黙しているところが逆に怖い。また、みんな声帯がなくてセリフで説明をできないので、これは何のシーンなのか観客も見て判断するしかない。自分で謎を解いていかないといけないという没入型のホラー映画でもありました。さらに、カルト村という閉鎖環境も恐ろしさを増幅させています。閉ざされた村がいかに怖いか。村八分なんて言葉もありますけど、コミュニティーから外される怖さや逃げ場のなさがすごく効いていると感じました。
今作のような、一つの場所や状況で完結する映画をワンシチュエーション映画といいます。実はかなり定期的にヒット作を生み出すジャンルなんですよ。例えばNetflixの「バード・ボックス」は「それ」を見ると襲われてしまうから全員で目隠しをするというもの。こういったワンシチュエーションものって、人間の五感の一部に縛りを与えることで、本能的に観客を恐怖で支配するという効果があるんですよね。人間の声が奪われた世界観に加え、カルトの恐怖が今作を傑作ホラーに昇華させていたと感じました。
対人関係において、沈黙とはそれだけで恐ろしいものです。先生や上司、恋人の沈黙が気まずい、怖いと思う人も少なくないでしょう。私たちが普段気付いていない本能的な恐怖に目をつけ、見事にホラーに落とし込んだ優秀な映画でした。ぜひ劇場で見て、没入型の恐怖を体験してほしいです。












