イランで反政府デモが続き、政府がデモ弾圧をしている中、トランプ大統領が軍事介入を示唆している。イラン国営テレビは14日、トランプ暗殺未遂事件の映像を放送し、「今回は、弾丸は外れない」と挑発したという。

 トランプ氏は13日、米メディア・CBSニュースのインタビューに「抗議者を絞首刑にすれば〝非常に強い行動〟を取る」と語った。反政府デモ活動家を守るため、イランの内政問題に対し軍事介入も辞さないという脅しだ。しかし、トランプ氏は14日、ホワイトハウスで記者団に「イランのデモ隊殺害は止まったと聞いている」と話した。それでも、軍事介入する選択肢を否定せず、推移を見極める構えだ。

 そんな中、イスラエル紙エルサレム・ポストなどの特派員が、Xに「イラン国営テレビがトランプ氏を挑発している放送がある」と投稿した。

 トランプ氏は大統領選中の2024年7月、ペンシルベニア州バトラーで銃撃され、弾丸が耳をかすめた。イラン国営テレビは、トランプ氏の血まみれの写真を映し出し、「今回は弾丸は外れない」という文章を添え、暗殺予告とも取れる内容の放送を行った。

 米国事情に詳しい関係者は「イラン政権は一貫して、米国とイスラエルが反政府デモを煽っていると主張しています。政権は『抗議運動は米国が仕掛けた陰謀だ』と強調するために、国内向けに敵は米国で、イランはトランプ氏を嘲弄できるほどに強いというイメージを作るために放送したのでしょう。また対米的には、デモ鎮圧という内政問題に対して軍事介入するなら、トランプ氏自身が標的になるという脅しでしょう」と語る。

 昨年12月28日に生活苦に苦しむ店主らの抗議デモが拡大し、反政府デモにまで発展。反政府デモがイラン政権を打倒する勢いになるかどうかを米国は注視してきたが、デモは沈静化してきているようだ。

 15日の米メディア・NBCニュースによると、トランプ氏は国家安全保障チームに対し、イランに対する米軍の行動は政権に迅速かつ決定的な打撃を与えるものであるべきで、数週間から数か月も続くような長期戦を招くものであってはならないと伝えたという。

 トランプ氏の顧問団はいまだに、米国の軍事攻撃の後にイラン政権が速やかに崩壊することを保証できていないとみている。

 前出関係者は「トランプ氏としては、イラン沖に米国艦隊を派遣するほどの大きな攻撃はせず、限定的な攻撃となる可能性があるようです。そのため、トランプ氏は記者団に『イランのデモ隊殺害は止まったと聞いている』と話したのでしょう」と指摘した。