〝不安説〟を吹き飛ばせるか。大相撲初場所2日目(12日、東京・両国国技館)、横綱大の里(25=二所ノ関)が小結王鵬(25=大嶽)を退けて連勝発進した。相手のノド輪にのけぞり引いて呼び込む場面もあったが、立て直して逆襲。右を差して一気に前に出ると、左をあてがいながら寄り切った。取組後の支度部屋では「良かったと思います。しっかり集中できた」とうなずいた。

 昨年11月の九州場所終盤に左肩を負傷。優勝の望みがあった千秋楽は、無念の休場となった。その後の冬巡業も全休し、年明けの6日に行われた横綱審議委員会(横審)による稽古総見では調整の遅れを露呈。視察した大相撲解説者の舞の海秀平氏(元小結)は「15日間、持つのかどうか。左が使えていない」と指摘していたほどだ。

横綱審議委員会・紺野美沙子委員(代表撮影)
横綱審議委員会・紺野美沙子委員(代表撮影)

 それでも、大の里は出場を選択。横審の紺野美沙子委員(女優)は「心配ですよね。これで悪くなったりしたら…」と故障の再発を危惧する一方で「お相撲さんはみんな、ケガを抱えながらやっていますし…。やはり初場所ですから、ファンの方も両横綱にそろっていただきたいという期待が大きいですよね。天覧相撲(8日目)も久しぶり。休場してほしくないですし、本人もそう思ってるのでは」と復帰に踏み切った横綱の責任感を推察した。

 その大の里は「体は悪くない。明日以降も集中してやっていきたい」ときっぱり。現役最多の優勝5回を誇る横綱は、千秋楽まで完走して賜杯奪回を果たすことができるのか。今年の覇権争いの行方を占う意味でも、大の里の土俵から目が離せない。