高級ブランド腕時計を月額レンタルするサービス「トケマッチ」を巡る事件で、警視庁捜査2課は26日、運営会社の「合同会社ネオリバース」元代表の小湊敬済こと福原敬済容疑者ら男2人を詐欺容疑で逮捕した。昨年、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイへ逃亡していたが、日本へ連れ戻された格好だ。

 トケマッチはロレックスやフランクミュラーなどの腕時計を貸し出すシェアリングサービスを2021年から開始し、話題となった。ところが、昨年1月に突如、会社の解散を発表。所有者が会社側に預けていた腕時計は順次返却するとしながらもフリマサイトなどに出品していたことが判明。福原容疑者は会社解散と同時にドバイに渡航し、その後、行方が分からなくなっていた。

 警視庁は昨年3月に業務上横領容疑で逮捕状を取り、9月に詐欺容疑へ切り替え、国際指名手配していた。今月24日にドバイで身柄が確保され、警視庁の捜査員が現地に飛び、成田空港で帰国したところで逮捕された。逃亡時とは一転、丸刈りの同容疑者はTシャツ、短パン、サンダルのいで立ち。一昨年に同じくドバイで拘束され、事実上の強制帰国となったガーシー(東谷義和)元参院議員と同様に着の身着のままで現地当局に拘束されたとみられる。

 UAEは日本と犯罪人引き渡し条約が結ばれておらず、かつては金融関係を中心に〝犯罪者天国〟とも揶揄されたが、この数年、取り締まりの強化に乗り出していて、もはや安穏の地ではなくなっている。

 トケマッチ事件での被害は腕時計約1700本(時価計28億円以上)とみられ、約650人から被害届が出ている。腕時計の大半はすでにフリマサイトや買い取り店、質屋に流通している。福原容疑者は資金の一部をオンラインカジノの関連口座に送金していたほか、暗号資産の購入などに使用していたとみられる。

 被害者は被害品を買い取り店や質屋で発見したとしてもすでに所有権が移転しており、買い戻すしかないのが現状だ。今後、トケマッチや福原容疑者らに損害賠償請求することになるが、どこまでカネを残しているかは不明。逃亡劇から首謀者が逮捕されたのは大きな前進だが、被害者の苦悩はまだ続くことになる。