トランプ大統領が13日から中国を国賓訪問している中、米カリフォルニア州アルカディア市の市長が中国の〝スパイ〟だったことを告白して波紋が広がっている。14、15日に行われる米中首脳会談に影響を与えかねないという。
アルカディア市の市長だったアイリーン・ワン被告(58)が11日、中国政府の違法な代理人として活動していたことを認め、検察との司法取引の一環として、アルカディア市長職を辞任した。数週間以内に有罪答弁を行う予定となっている。
ワン被告は、2020年から22年にかけて、中国政府の秘密工作員として、米国内で偽ニュースサイトを使ったプロパガンダ拡散活動を行っていた。表向きは、「中国系アメリカ人向けニュースサイト」だったが、検察によれば実際には、中国政府寄りの論調拡散、北京側メッセージの発信、中国共産党に有利な宣伝、米国内世論への影響工作を行っていたという。
ロサンゼルス連邦地検のビル・エッセイリ第一副連邦検事は12日、米紙カリフォルニア・ポストに対し、「ワン被告がカリフォルニア政界で台頭した背景には、中国が地方政府に自国の〝資産〟を送り込み、自国に忠実な人物たちが政治キャリアを積み重ね、最終的には高官となって大きな損害を与えることを狙っている点がある。彼らは非常に狡猾で、人々を公職に就かせるために長期戦を仕掛ける」と話した。
実際、FBIは2017年の時点ですでにワン被告の活動を把握。被告が市長に就任したのは22年のことだった。
米国事情通は「今回のスパイ事件が直接、米中首脳会談の議題にはならないでしょうが、間接的には影響があるでしょう。トランプ氏が中国に強硬姿勢を取らないと、米国内から『中国工作員問題があるのに甘すぎる』とたたかれます。また、トランプ訪問直前にこの事件が明るみになったということは、中国側は『米国側がけん制材料として使うだろう』と受け取ります」と指摘する。
果たしてどんな会談になるのか――。











