大相撲初場所(11日初日、東京・両国国技館)で、大関経験者の朝乃山(31=高砂)が2024年名古屋場所以来9場所ぶりに幕内土俵に立つ。2度目の三段目転落から再起を遂げた元大関の復帰ロードを振り返る。

【朝乃山、再出発の軌跡(2)】左ヒザの大けがを負い、秋場所から3場所連続で全休。西三段目21枚目で迎えた25年の春場所初日に、ヒザに分厚いサポーターを巻いて登場した。人気力士の久しぶりの登場に、館内の観客からは大きな拍手と声援が飛んだ。

 一番相撲で、三段目天(錣山)を押し出して236日ぶりの白星。勝ち名乗りを受けて「三段目からだったので緊張した。拍手? 早くから足を運んでくださったお客さんには感謝しかない。本土俵で相撲を取れる喜びがある。自分一人ではここまで戻ってこられない。周りの方々に感謝したい」と感慨深げな表情を見せた。

 大関時代に不祥事で6場所出場停止となり、今回はけがで2度目の三段目転落を経験。「ケガで落ちた方が、相撲に対する気持ちが変わってくる。大事な部分をケガして、どれだけ苦しいかがよく分かる」と受け止めた。

 復帰した春場所では、7戦全勝で2度目の三段目優勝。「7日間(7番)しかなかったですけど、相撲を取れる喜びや充実感がありましたね」と手応えを口にした。

 そして西幕下14枚目で臨んだ夏場所を6勝1敗で勝ち越すと、同1枚目で迎えた名古屋場所を5勝2敗で終え、6場所ぶりの関取復帰を決めた。「ここで終わりじゃないので。まだ気持ちは折れていない。(大相撲中継で)放送されるところまで戻って相撲を取りたい」と上を見据えていた。

分厚いサポーターを巻いた朝乃山(2025年3月)
分厚いサポーターを巻いた朝乃山(2025年3月)