高市内閣が誕生してから1か月あまりが経過した。足元の臨時国会では、主に補正予算の成立を目指して協議が進められている。株式市場では、高市首相の「サナエノミクス」関連銘柄が人気化したが、一時的な熱はやや落ち着いた。投資家も、政策の行く先を見極めようとしている状況だろう。
今回、注目するのはトランプ大統領の訪日時に署名した、対米投資に関する総額4000億ドル(約60兆円)の「日米合意ファクトシート」。ここでは、「エネルギー」「AI向け電源開発」など4項目にわたって投資の内容や規模が述べられている。規模が大きいのは「エネルギー」の項目で、米ウエスチングハウスとGEベルノバ日立によるSMR(小型モジュール型原子炉)の建設で、各1000億ドル。さらに、「三菱重工、東芝、IHIなど日本企業の関与を検討」といった具合に、具体的な企業名が記載されている。同様に、「AIインフラの強化」の項目でも、東芝、日立、三菱電機の名前が並ぶ。
今後、記載されている企業には対米投資の波が訪れるはずだ。ストレートに記載企業を狙うのは当然アリだが、当欄ではシートの文言「などの日本企業の関与を…」の「などの」の部分に注目。要は、記載企業以外にも関与する企業が出てくる可能性が高いということだ。そして、それは記載企業と関係が深い会社になることが予想される。
今後も同テーマで浮上する銘柄を何度か取り上げるつもりだが、今回は、シートの別項目「AIインフラの強化」にも登場する日立関連の注目企業を取り上げてみたい。
まずは、正興電機製作所(6653=2237円)。電力や環境エネルギー関連機器が主力で、業績はデータセンター向けの拡大などで堅調に推移している。米国向けの拡大が株価を押し上げそうだ。上場来高値2615円を上抜ければ上昇が加速する公算あり。続いて、リース大手の三菱HCキャピタル(8593=1285円)。2021年に日立キャピタルを吸収しており、日立との関係は深い。日米合意のメインである原発や電力と直接的な関係はないが、リースにはヒト・モノ・カネが動けば追い風が吹くので、対米投資の増加による恩恵は小さくないだろう。
そのほか、日立系商社の八洲電機(3153)や、日立化成が源流のひとつである化学会社のレゾナック・ホールディングス(旧昭和電工、4004)にも注目したいが、足元の株価が過熱しているので押し目を待ちたい。(株価は16日終値)












