この数年、ほとんど風邪を引いたことがない。過日も宮古島から岩手へと、南国から東北への強行移動でもなんのその。だが、ともに宮古島へ行った夫が風邪でダウン。その横で私は酒を飲んでいた。

 酒といえば、アルコールには免疫を下げる作用がある。アルコールを分解する過程で生じる刺激が腸内環境を乱し、免疫細胞の働きを鈍らせると考えられている。さらにアルコールは眠りの質を下げるので、渡り鳥にも似た移動距離で疲れ切ったカラダには決して優しくない。それでも私が元気でいられるのは、平熱が35℃台半ばから36・5℃へ上がったおかげではないかと思っている。

 一般的に平熱が上がると、さまざまな利点があると言われている。第一に代謝が上がり、血流が良くなるので、カラダに摂りこんだ栄養が吸収されやすくなる。また、白血球などの免疫細胞は、体温が36・5℃前後で動きが活発になるらしい。つまり平熱が上がると、「免疫が働きやすい環境が整う」と考えてもいいだろう。

 だが、確実に平熱を上げる医学的な方法はない。ただ、上がりやすいカラダに整えるのに良いとされているのが筋力量を高めることだ。筋肉は熱を生む天然の「暖房器具」。私自身、ピラティスとボクシングで筋肉量が増えてから、より感染症に強くなった実感がある。また、あくまでも補助だが、湯船につかって血流を良くする、首・腹・足元を温めるなどの物理的温活もおすすめだ。酒は免疫を下げるものだからこそ、酒飲みには筋力を増やす運動と温活をぜひ試してみて欲しい。

 昔は冷え性で、やたら体調を崩しやすく、風邪薬が欠かさなかった。「これではいかん」とホットヨガに通い、さらに最近になってボクシングを始め、プロテインを飲む習慣がついて筋力が一気に増えた。体温が上がったことで、免疫のベースが底上げされたからか、直近で家族全員がインフルエンザに感染しても私だけ無事。これは決して偶然ではない。筋力を上げる運動とほどほどの酒。この地味な積み重ねこそが、免疫を支える体温を着実に底上げしてくれるのだ。