格闘技転向の可能性は――。柔道女子48キロ級で2024年パリ五輪金メダルの角田夏実(33=SBC湘南美容クリニック)が現役引退の意向を固めたことが7日、関係者への取材で分かった。現在はテレビやイベント出演などの活動を精力的にこなしているが、第2の人生はどのような形で歩むのか。本紙は気になるテーマを角田にぶつけていた。

 東京学芸大進学後に寝技を強化し、国内外の大会で頭角を現した角田は、21年東京五輪は52キロ級で代表を目指すも落選。それでも19年秋に48キロ級へ転向後は、世界選手権で3連覇を果たす。パリ五輪では日本柔道史上最年長となる31歳11か月で金メダルを獲得した。ただ、24年秋には「自分がどれを選んだら将来後悔しないのかというのを今考えている」と迷いを口にしており、今後を熟考する日々が続いていた。

 この日はグランドスラム東京大会(東京体育館)のエキシビションで、代名詞のともえ投げを披露。その後の取材では「数日前もぎっくり腰になって、この試合に出られるのかなと思っていた」と苦笑いを浮かべた。今後の去就については「今会社と相談していて、もうそろそろ発表とか、いろいろと手続きをしているところ」と話すにとどめたが、一つの決断を下していた。

 角田の思いは、周囲も感じ取っていた。柔道関係者は「イベントなどに積極的に参加していたし、角田さんの行動から見ていたら分かっていたこと。全柔連の強化部の人たちも角田選手がいない前提で、ロス五輪に向けた強化は進めている」と証言する。

角田夏実と総合格闘技のスパーを行った女子格闘家・伊澤星花
角田夏実と総合格闘技のスパーを行った女子格闘家・伊澤星花

 一方で、かねて角田に対しては格闘技業界が熱視線。東京学芸大柔道部の後輩でRIZIN女子スーパーアトム級王者の伊澤星花とのユーチューブ上でのコラボ動画が話題になったこともあり、一部では格闘技転向の可能性が注目されていた。

 しかし、当の角田は本紙に「ボクシング、知り合いに殴りの練習させてもらったら『めっちゃセンスないよ』と言われたので、あまり向いてないのかなと(笑い)」と本音を吐露。さらに「伊澤選手と対談した時にやっぱり殴れない、難しいのかなと思ったので、本格的に転向とかではなくて、ちょっとジムとかでやってみてって感じかな」と〝温度感〟を明かしていた。

 別の関係者によると、今後は改めて発表の場を設ける方針。遅咲きのヒロインは日本、世界に強烈なインパクトを残して畳を去る。