安倍晋三元首相銃撃事件で殺人などの罪に問われた山上徹也被告の初公判が28日、奈良地裁で開かれた。

 3年前に起きた銃撃事件の9日前に山上被告からツイッター(現X)でメッセージを受け取っていた鈴木エイト氏が裁判を傍聴し、山上被告の〝異変〟について指摘した。

 まず驚いたのが山上被告の外見。「髪が伸びているという情報は聞いてたけど、あそこまで長いと思ってなかった。(逮捕されてから)ずっと切っていない可能性もあります」。背中の半分ぐらいまでありそうな長髪を束ね、黒色のトレーナーにグレーのパンツで入廷。

 また「(逮捕時の映像では)小柄な印象でしたが思ったよりマッチョな感じがした。刑務官が5人付いていたんですけど、刑務官に囲まれても堂々としている印象」と語った。しかし、外見の変化とは対照的に内面は違ったようだ。

 起訴状によると山上被告は2022年7月8日、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で街頭演説を行っていた安倍元首相を手製のパイプ銃で至近距離から銃撃し殺害。起訴内容について山上被告は「全て事実です。間違いありません」と小さな声で認めた。

 また印象に残ったのは山上被告が頬づえをつくような場面が多く見られたことだ。「傍聴席を見ることは一切なかった。頬づえをつくような形でずっと手で少し顔を隠す姿勢だった」。エイト氏の推察通り、傍聴席の視線を気にしていた。

「閉廷後に弁護人に質問すると(山上被告は)『傍聴席の視線が気になって、顔を隠すような感じになった。それがどういうふうに(裁判官に)捉えられましたかね?』と気にしてたらしいです」と明かした。

 初公判で見せたイメチェンにどういう意味があったのか。エイト氏は「勾留中は時間があるので読書をしたり、体を鍛えたりしたのかもしれません」。当然ながら真相は山上被告にしか分からない。

 今後、山上被告の口から何が語られるのか。エイト氏は「いろいろな人が彼に動機や思いを投影し過ぎている。実際はもっと単純な事件かもしれない。正当に追及する方法があったんじゃないかという反省があるかもしれない。事件当初と変わってきている可能性もある。3年たった今の思いを聞いてみたい」と話した。

 外見と同じく心理面にも変化があるのだろうか。