インスリンというホルモンの減少や機能の低下が影響し、血液中の糖が多くなる病気を糖尿病というが、いったいどのような原因で発症するのか、糖尿病専門医の鶴田加奈子先生に教えてもらおう。
――糖尿病の原因は
鶴田医師(以下、鶴田)大きく分けて遺伝要素と生活習慣、そして加齢が影響します。体質的にインスリンの分泌能力があまり良くない人がいます。ほか、肥満や筋肉減少もインスリンの機能が悪くなる要素の一つ。そして、40代、50代ぐらいからは、インスリンを分泌する膵臓の機能が若い頃より衰えてきてしまいます。
――糖尿病と診断されたら、どのような治療が行われますか
鶴田 医師の指導の下、オーダーメードで食事療法や運動療法を行うのが理想的。生活習慣が変わることで、血糖値が安定する方もいらっしゃいます。ただ、やはり中には生活習慣の改善だけでは数値が安定しない人も。そういう方には、もちろん薬の力をうまく借りて改善を目指します。
――体質も糖尿病の原因の一つであれば、たしかに薬はすごく頼りになる存在ですね
鶴田 その通りです。生活習慣だけでなかなか改善せず、ストレスを感じて「自分のせいだ、もっと頑張らなきゃ」と思い過ぎないように。それこそ体質的に太りやすい方もいるほどですから。ちなみに、医療機関を受診する際には、糖尿病専門医を持っている医師の受診がおすすめですよ。
――最近話題の糖尿病治療薬、GLP―1受容体作動薬ってどのような薬ですか
鶴田 膵臓のβ細胞に働きかけてインスリンの分泌を促進し、血糖値を下げるなどの作用を持つ薬です。胃腸に働きかけ、胃から食べ物が出ていく速度を遅くして、空腹感を感じにくくさせたり、脳に働きかけて食欲を低下させたりする効果もあります。
――肥満が原因の糖尿病の方にとっては特に相性が良さそうですね
鶴田 まさにそのような方の数値改善に期待ができるいい薬です。しかし最近は美容目的で痩せるために使われるケースが話題になっています。痩せすぎで筋肉量が減ったり、必要な栄養素が不足したりする恐れもあるので、リスクの面を懸念しています。
――いいことばかりではないんですね…
鶴田 膵臓や腎臓などに悪い影響を及ぼす可能性も否定できないですしね。血液検査を行わず、全くフォローをしないまま使い続けるのは危険です。医師とともに定期的に体の状態を確認しつつ使用することで、ベネフィット面をうまく享受できるわけです。
☆つるた・かなこ つるた内科クリニック院長。日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。山梨大学を卒業後、国立国際医療研究センターや日本赤十字社大森赤十字病院などを経て、現職。地域一番の糖尿病治療の提供を目指し、食事療法や運動療法にも力を入れる。













