【泌尿器科医・高橋亮 シモの話】睾丸(タマ)が痛くなる病気で代表的なものとして、精巣上体炎があります。尿の出口のところから侵入してきた雑菌が逆流していき、睾丸とくっついている精巣上体という場所で増えてしまう病気です。

 タマが腫れてきて、腫れた部分を自分で触ると痛いなどの症状が出ます。感染症ですので、熱が出ることも多く、38度以上になることもしばしば。タマが「腫れて」「痛みがあり」「高熱が出る」という全てが揃っている場合にはたいていこの精巣上体炎になりますが、現在はコロナ禍の影響で、発熱を理由に診察を断られてしまう場合もあるようです。熱があるとはいえ、精巣上体炎は内科の病気ではないので、疑った場合には泌尿器科を受診していただければと思います。

 尿の出口から雑菌が侵入すると聞いて、もしや性病か?と思われた方はなかなか鋭いです。性行為の際に入り込んだクラミジアや淋菌(淋病の原因菌)がタマの方まで侵入していって精巣上体炎を起こす場合もあります。ただ、大腸菌などの雑菌が原因となる場合もあり、この場合は性行為とは通常は関係がありません。「何にも悪いことしてないのにタマが腫れて痛いんだよ」と訴えられる患者さんもいますが、性行為の有無に関係なく精巣上体炎は発症する可能性があります。このため、患者さんの年齢層としては小児から高齢者まで幅広い年代の方がかかる可能性があります。

 治療は抗生物質の投与です。飲み薬を1~2週間飲めば治りますが、症状が重たい場合には点滴をすることもあります。精巣上体炎は治療薬のある感染症になりますので、早めにキチンと薬を使えば治ります。ただ、38度以上の高熱が出ることもあることから、タマの痛みが出る病気の中ではやや重症に位置付けられる…というところでしょうか。

 たかはし・りょう 神奈川県出身。2003年日本医科大学卒業。日本泌尿器科学会指導医・専門医。日本医科大学付属病院嘱託医。ED、早漏、AGAなどをはじめ、前立腺がんなど泌尿器科にまつわる疾患全般を扱う動坂下泌尿器科クリニック(東京・文京区)院長。