耳掃除で耳の中を傷つけたり、耳をふさぐアイテムの使用で、湿潤環境をつくったりすることがきっかけで発症する「外耳炎」。悪化するとどうなるのか、耳鼻咽喉科医の木村聡子先生に話を聞いた。
――外耳炎が悪化してくるとどうなる
木村 ひどくなると発熱や、リンパの腫れ、耳が聞こえなくなるといった症状が出ます。ほか、外耳道の炎症がひどくなり、鼓膜を破って菌が広がり、中耳炎や内耳炎を起こすことも。もっと最悪のケースは、悪性外耳道炎。さらに奥の耳の神経に近いところまで炎症が広がり、頭蓋骨にまで至ると最悪の場合、命にも関わります。
――外耳道の皮膚の炎症が、放置することでそこまでに…
木村 軽い外耳炎ならば、いじらなければ2~3日で自然と治ります。ただ、かゆみが治まらないなど症状が継続するならば耳鼻科に行きましょう。外耳炎は抗生物質の点耳薬や飲み薬などを基本的に使います。
――菌ではなくカビが繁殖することもあるそうですね
木村 カビが付着して炎症を起こしているケースを外耳道真菌症といいます。菌が原因のときよりも、治りにくく、症状も強く、再発もしやすい。カビなので、抗生物質が効きません。そのため、何か月もかけて、こまめに耳の中を洗浄し、カビを殺す薬をつけるということを繰り返すという治療をします。
――外耳炎になりやすい体質の人は
木村 アトピーや花粉症など、アレルギー体質の人です。耳がかゆくなり、つい触ってしまうからです。ほか、特になりやすい人は、糖尿病の人。免疫の力が落ちているため抵抗力が弱い。中でも血糖のコントロールができていない人は悪化しやすいです。
――耳掃除はどういうふうにすればいいですか
木村 基本は「入り口を優しく」で十分。人間の耳の構造上、耳あかのもととなる脂を出しているのは、入り口3分の1の部分です。しかも、耳あかは作られたら、自然に外に排出されます。奥をガリガリとやる必要は全くない。シャワー後なども入り口をタオルでさっと拭くレベルで問題ないです。鼓膜があるので、鼓膜の奥まで水は入らないですし、体温で自然と蒸発します。
――耳掃除に行ったら奥の方にたまっていた…みたいなケースもありますが
木村 ほとんどのケースが、綿棒などで耳掃除をしている中で、自分で少しずつぎゅっぎゅっと押し込んでしまった結果です。どうしても耳掃除をしたければ耳鼻科を遠慮なく受診してください。耳あかを取るのは簡単そうに見えて結構技術がいりますからね。
☆きむら・さとこ 医学博士、日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本アレルギー学会専門医、補聴器適合判定医、補聴器相談医、難病指定医。大学病院、総合病院などを経て、現在は都内クリニックに勤務。耳鼻咽喉科疾患全般において年齢層を問わず幅広く対応し、丁寧な説明を心掛けている。












