〝3代目山の神〟の今は――。青学大陸上競技部長距離ブロックのOBで箱根駅伝の5区を沸かせた神野大地(32)は、実業団のMABPマーヴェリックで選手兼任監督として活動している。直近の目標を2026年ニューイヤー駅伝(全日本実業団駅伝)出場に設定したが、なぜ二足のわらじを履く決断を下したのか。陸上界への恩返しを胸に戦い続ける二刀流戦士が、単独インタビューで改革への熱い思いを語った。

 ――選手兼任監督になった経緯は

 神野 会社(M&Aベストパートナーズ)の副社長が箱根駅伝を走っていて、陸上界に恩返しをしたいとの思いがあって、約2年前に「一緒に何か陸上界で取り組みできませんか」とSNSでダイレクトメッセージをいただいたのがきっかけです。どんな形が一番陸上界を変えられるかと話し合う中で、日本には駅伝文化があるので、駅伝でやっていこうとなりました。

 ――どんなチームをつくりたいのか

 神野 ただ強くするだけじゃなくて、これまでにないファンに愛されるようなチームをつくりたいです。チームの情報を多く発信をしているのは、箱根駅伝が注目されていても、実業団にいくと情報がなくなって、応援したい選手をどう応援したらいいかわからないような状況になっているからで、そういう部分をなくしたいと思っています。

 ――応援されることが大事になる

 神野 ファンがいてこそアスリートは輝くと思っています。注目してもらえなかったら、どれだけ自分が努力して結果を出しても、あまり報われない。陸上界を変えられるチームだったらという部分で、会社の副社長も同じ思いを持っていたので、一緒に力を合わせていいチームをつくりたいとの思いでやっています。

 ――個人では6月にジストニア(筋収縮系の運動障害)の手術を公表

 神野 手術をしたけど、完全に治りましたという状況ではないです。なかなか感覚が良くならない状況だけど、手術をしたことへの後悔はないです。自分の競技人生を完全にあきらめたわけではないし、可能性がある限りは頑張っていきたいです。ただ今は監督という立場でもやらせてもらっていて、その目標を追うのも大変なので、今は監督でしっかり実績を出すところを一番の目標にしています。

 ――今後の展望は

 神野 ニューイヤー駅伝に初出場して、5年でニューイヤー駅伝入賞で、10年で優勝を目標にしています。監督として走り出して1年目なので、競技者ではないけど、自分のモチベーションが上がるチャンスをもらえている瞬間だとは思うので、監督としても結果を出して、強さとしても何か陸上界を変えられるような、一人の人間として結果を出せるように頑張りたいです。

 ☆かみの・だいち 1993年9月13日生まれ。愛知県出身。中学校で陸上を始め、中京大中京高から青学大に進学。箱根駅伝では2年時に2区6位。3年時には5区で区間賞に輝き、初優勝の立役者となった。4年時は5区2位で連覇に貢献した。現在は実業団のMABPマーヴェリックで選手兼任監督として活動。メディア露出も積極的に行っており、DM三井製糖が研究・開発する天然糖質「パラチノース」の公式アンバサダーを務めている。165センチ。47キロ。