大相撲秋場所9日目(22日、東京・両国国技館)、大関経験者の幕内正代(33=時津風)が幕内翔猿(33=追手風)を力強く押し出して8勝目(1敗)。自身5年ぶりとなる9日目での勝ち越しを決めた。

 取組後の支度部屋では「今日は緊張した。早く勝ち越して安心したかった。それで硬くなったのかな。(勝ち越して)いったん区切りがついた。ここから集中し直さないと」と気持ちを引き締めた。

 2020年秋場所で初優勝し、大関に昇進。しかし、約2年の短命で陥落した。正代は「(大関の時は)根本的に充実していなかった。勝っても〝明日はどうなる〟とか常に次のことを考えていた。勝ったらうれしいじゃなく、ただ安心していた。負けたら『やばい、どうしよう』と悪い方向にいっていた。しんどかった」と振り返る。

 その大関時代と現在を比べ「プレッシャーが違う。ノビノビとやらせてもらっている。勝てばうれしい? そうですね。充実して取れている」と穏やかな表情で語った。

 優勝争いでも、全勝の横綱豊昇龍(26=立浪)を1差で追走。さらに白星を積み重ねていけば、5年ぶりの賜杯も夢ではない。正代は「V争い? もうちょっと星が伸びたら…。まだ意識したくない。意識すると自分らしさが出なくなる」。気負わず、自然体で目の前の一番に集中する構えだ。