レスリングの世界選手権6日目(18日=日本時間19日、ザグレブ)、女子62キロ級決勝でパリ五輪金メダルの元木咲良(23=育英大助手)が北朝鮮選手を5―4で下し、初優勝を果たした。53キロ級の村山春菜(26=自衛隊)、68キロ級の石井亜海(22=クリナップ)も決勝を制し、世界一。金メダルラッシュとなった。

 元木が大逆転でパリ五輪に続く栄冠を手にした。3―0のリードで迎えた第2ピリオド終盤、4ポイントを奪われる大ピンチ。掲示板が示す残り時間はわずか12秒。「大丈夫、1回仕掛けられる」と諦めずに攻撃し、もつれながらも投げて相手の体を返した。一度はポイントが加算されなかったが、再審の結果認められ、逆転。金メダルが確定した。
  
 元木は「3年前、2年前とこの舞台で負けて、その時に感じた悔しさ、劣等感、景色っていうのは五輪で優勝しても消えなかった。でも私はここで負けて強くなって今の自分がいる。改めてこの舞台で最後優勝してこそ、やっぱり本当に自分は強くなったって言えると思うので、本当にうれしいです」と喜びをかみしめた。

日の丸を掲げる元木咲良
日の丸を掲げる元木咲良

 もう一つの偉業が待っている。10月のU―23世界選手権(セルビア)だ。制すれば各世代の大会全てで勝つグランドスラムを達成する。「U―23はラスト1回、今年が最後なので必ず取れるように頑張りたいと思います」と力を込めた。

 エクアドル選手を下し4度目の世界一となった村山は「うれしいです。五輪階級で世界選手権に出られることはないのでは、と半分諦めのような気持ちも持っていた。この舞台に立て結果を残せたことが、2、3年前の自分からしたら考えられない」と語った。7月に亡くなった小原日登美さんの教えが復活を後押しした。「勝てなかった時、これ以上自分で何をしたらいいかわからなくて、その時に小原コーチに組み手とかを教えてもらった。レスリングが楽しいなと思えるようになった」。頂点に立ち、天国の師匠への恩返しとなった。

 ブルガリア選手を下し昨年の72キロ級に続く世界一に輝いた石井は「うれしいです。(大会前は)優勝した自分を思い浮かべて本気で泣けるぐらい、優勝したらうれしいなと思っていたが、実際優勝したら内容が悪すぎて喜べなかった」と反省も。2028年ロサンゼルス五輪出場へ「これが最終目標ではない。ロス五輪で圧倒的に優勝するまで全力で駆け抜けたい」と力を込めた。