2026年ミラノ・コルティナ五輪最終予選日本候補決定戦3日目(13日、北海道・稚内市みどりスポーツパーク)のタイブレークで、22年北京五輪銀メダルのロコ・ソラーレ(LS)がフォルティウスに2―7に敗れ、3大会連続となる五輪出場の可能性が消滅。スキップ・藤沢五月(34)らが大粒の涙を流したが、〝個性〟を尊重するチーム方針が数々の栄光を引き寄せていた。

 目は真っ赤に腫れていた。「世界一」を目標に掲げていた藤沢は、大黒柱として要所で好ショットを披露してきた。しかし、この日は最後まで流れをつかむことができなかった。「今日はフォルティウスさんのパフォーマンスが本当にすばらしかった」と声を詰まらせた一方で、LSは長きにわたってカーリング界をけん引。さまざまな歴史を塗り替えてきた。

 そんなLSのメンバー4人は北海道・北見市出身で、藤沢、サード・吉田知那美、セカンド・鈴木夕湖は同じ1991年生まれ。幼少期からの顔なじみだからこそ、お互いを支え合ってきた。藤沢は「スキップをやっているけど、チームのリーダーでみたいに引っ張って、私がチームをつくっていくんだ、私が勝たせるんだみたいな性格ではない」。試合時はコミュニケーション能力に長ける吉田知が、常にプラスの声掛けで名スキップを鼓舞。スイープ力が持ち味の鈴木は、自慢の体力でショットを的確なコースに導いてきた。

 LSの代表理事を務める本橋麻里さんは「自分たちで考えないと世界で通用しない、を体現しているチーム」と特徴を表現。個々に求められる役割は何かを考え、きっちり遂行してきたのが強さの秘密だという。

 個々が最高のパフォーマンスを発揮するには、競技外の行動も重要だ。本橋さんは「バランスを取るスキルを身につける必要がある。自分を俯瞰で見られるような時間として、シンプルに心から楽しむ、好きな時間を過ごすことを積極的にしてもらっている」と明かす。北京五輪後の23年には藤沢がボディビルに挑戦。吉田知は22年に、リード・吉田夕梨花は24年に結婚を発表するなど、各自がプライベートでも充実した時間を過ごしていた。

 競技内外で自らの心技体を整え、チーム一丸となって勝利を目指し続けたLS。今大会は悔しい結果に終わるも、10月にはパンコンチネンタル選手権(米ミネソタ州)を控えている。藤沢は「日本代表として戦わせてもらえる機会を与えてもらったので、この大会の反省を生かせるかどうかが試されている」。次なるタイトルへ、まだ歩みを止めることはない。