逃げなかった。「足の言い訳はしたくない」――。久保凛(東大阪大敬愛3年)は26日、広島市のホットスタッフフィールド広島で行われた全国高校総体の女子1500メートルに出場し、4分11秒38で3位。日本選手権を制した直後に左ヒザ裏の痛みを抱えながらも、専門外の種目で日本人最上位として走り切った。

「走らないという選択肢は全くなかった。自分のラストのインターハイ。チームの一員として、自分の責務を全うしようと思った」。レース後、囲み取材でそう語った久保は、満足な練習が積めない不安を抱えながらも、スタートラインに立った。

 インターハイは今大会、猛暑対策としてトラック種目の方式が変更され、1500メートルは予選なしの一発勝負・タイムレース決勝に。久保が入った最終4組は、前回覇者のジャネット・ジェプコエチ(倉敷)やケニア人留学生らが名を連ねた〝実質決勝〟だった。

ゴール直後に両ヒザに手を置き、疲れた様子を見せる久保凛(左)
ゴール直後に両ヒザに手を置き、疲れた様子を見せる久保凛(左)

 レースは序盤から2番手につけ、ラスト1周でジェプコエチがスパートをかけた際も懸命に反応。しかし、残り300メートルでアカイ・メアリー(白鵬女子)にも交わされ、3着に。それでも最後まで粘り、0秒20差で順位を守った。

「最初は優勝と高校記録を狙っていました。でも、挑戦して3位という結果だったので、それをしっかり受け止めたい。今の自分にできることはやれたと思います」

 6月の近畿大会では高校歴代2位となる4分11秒07をマークし、勢いに乗っていた。だが日本選手権の800メートルを制した後に痛みが出て、ポイント練習も思うようにこなせなかったという。それでも「挑戦して良かった」と言い切る姿に、強い信念がにじむ。

 主戦場である800メートルでは、27日に予選、28日に決勝が予定されている。3連覇がかかる大一番に向け「足の状態はどんどん治ってきている。まず予選をしっかり走って、決勝では自己ベストを出して」と力強く話した。

 勝つことだけが価値ではない。走ることを選び、走り切った。背負った責任を、記録と姿勢で果たした久保の挑戦は、次の800メートルにつながっていく。