大相撲の元横綱・白鵬翔氏(40)が日本相撲協会を退職した余波が、かつて師匠を務めた旧宮城野部屋の後援会にも広がっている。今後の白鵬氏は角界の外側から相撲の発展に尽力していく構えだが、優勝45回を誇る大横綱が〝退場〟となった影響は小さくない。同部屋の有力後援者は、無念の心境を吐露。主(あるじ)を失った後援会組織の今後についても言及した。
白鵬氏が師匠を務めていた旧宮城野部屋は、元幕内北青鵬による暴力問題の影響で昨年4月から閉鎖され、師弟の全員が伊勢ヶ浜部屋へ転籍。白鵬氏は閉鎖から1年が経過しても部屋再開の見通しが立たないことから、角界を去ることを決断。9日付で相撲協会を退職した。弟子たちは引き続き、元横綱照ノ富士が師匠を務める伊勢ヶ浜部屋に所属する。
今後の白鵬氏は角界の外から相撲の発展に尽力していく構えだが、支援者の心境は複雑。2011年以来、九州場所の期間に旧宮城野部屋へ宿舎を提供してきた福岡・篠栗町の寺院「南蔵院」の林覚乗住職(72)も、その一人だ。同寺院は全長41メートル、高さ11メートルの巨大な釈迦涅槃像があることで知られ、白鵬氏は現役時代に涅槃像前で横綱土俵入りを披露したこともある。
林住職は「相撲協会が厳しい処断をしてもいいと思うけど、(部屋閉鎖措置の)期限をつけてやらないといけなかった。やっていることが最初から(白鵬氏への)〝いびり出し〟で、弟子たちがかわいそう」と無念の思いを明かす。
宮城野部屋九州後援会の名誉会長も務める林住職によると、白鵬氏は昨年の部屋閉鎖決定後に「1年ぐらいで(部屋が)復興すると思います。よろしくお願いします」と見通しを話していたという。そのため、今年3月の春場所後に白鵬氏に電話をかけたといい「『(相撲協会の)理事会はどうだった?』と聞いたら、彼は『何も(部屋再興の)話題が出ませんでした。ちょっと僕も覚悟しないといけないと思ってます』と言っていた」と当時のやり取りを明かした。
白鵬氏は今月14日、都内で後援会幹部や各界の著名人ら約200名を招いてパーティーを開催。そこで、自ら掲げる「世界相撲グランドスラム構想」について説明した。この会に参加した林住職によると「(白鵬氏は)吹っ切れたような感じだった。『今度9月に(相撲の)世界選手権がタイのバンコクであるので、それに来ませんか?』と言われたので、行くつもり」だという。
また、九州後援会の今後に関しては「皆さんから毎年預かっていた会費があるので、戻さないといけない。一応けじめをつけて、解散式をやろうという話にはなっている。その時には白鵬も呼ぶ予定で、本人から(今後の活動を)説明してもらって、その後の(後援会の)対応が決まると思う」との考えを示した。
今回の〝退場劇〟の余波は、まだしばらく各方面で続くことになりそうだ。












