〝リーチ麻雀〟発祥の地に37の国と地域が集う「アース製薬100周年記念 世界麻雀TOKYO2025」が7月1日に日本橋三井ホール(東京都中央区)で開幕する。個人戦には250人強、国別対抗チーム戦には全45チームが出場し、世界一を目指す。フランス・パリで行われた第1回大会で優勝した初代世界麻雀王者・山井弘(日本プロ麻雀連盟)に国際大会のリアル事情、日本の麻雀大会との違い、世界麻雀で日の丸を背負う思いを聞いた。

「アース製薬100周年記念 世界麻雀TOKYO2025」のロゴ
「アース製薬100周年記念 世界麻雀TOKYO2025」のロゴ

 2014年に行われた第1回大会には、22か国120人の選手が出場。〝ミスター麻雀〟こと、故・小島武夫(享年82)をはじめ、総勢47人の日本選手団がフランス最大の都市、パリに降り立った。「海外で麻雀大会と最初に聞いた時は、ホントに?しかもフランスで⁉と正直驚きました。現地では対局配信もすることになったので、事前にネット回線を調べて、みんなで機材を振り分けて持っていきました」と選手でありながら、大会運営もサポートした。「大会前後に観光ツアーも組んで、ルーブル美術館やベルサイユ宮殿等も見にいったので、10日間の海外遠征になりました」

 当時のパリは夏でも比較的涼しかっため、エアコンのある建物はほとんどなかったという。「パリは夏でも最高気温25度前後と言われていたのに大会期間中は30度超え。暑さにはかなり苦しめられました。大会は4日間で16戦、1半荘は90分。日本の大会だと試合の合間は5分程度しかなく、トイレに行ったらすぐ対局という感じですが、国際大会は試合間もゆったりしていてスイーツがふるまわれたり、ランチタイムも1時間半ほどありました。お互いにコミュニケーションを取りながら、1日かけて麻雀を楽しむという感じでしたね」

〝ミスター麻雀〟は海外選手からも大人気。

「小島先生のことを知っている海外選手は本当に多かったですね。至る所でコジマタケオだ!とささやく声が聞こえてくる(笑い)。海外選手の多くは『咲―Saki―』『哲也~雀聖と呼ばれた男~』『アカギ~闇に降り立った天才~』『打姫オバカミーコ』といった日本の文化である漫画やアニメで麻雀を知ってハマっていくんだと話していました」

パリ大会での小島武夫
パリ大会での小島武夫

 初代世界王者になってからは、日本だけでなく世界からも注目を浴びた。「帰国後は地元富山県の新聞社から取材を受けたり、モスクワ、ニューヨーク、アムステルダム等で行われる国際大会にもゲストで招待されるようになり、リーチ麻雀を世界に広めることは自分の役割のひとつなのかなという自覚も徐々に出て来ました」

 海外の選手たちは年々レベルアップしている。

「もともと世界にはリーチがない中国式麻雀のプレイヤーが多かったんですが、2002年に日本で行われた世界麻雀選手権をきっかけに、リーチ麻雀が世界に伝わってからは、競技性が高い知的頭脳ゲームとして急激に広がりました。今はネットでも対戦できるし、Mリーグの対局映像等もABEMA(アベマ)で見られるので、海外選手のレベルは年々高くなっていると肌で感じています。今大会には世界ランキング上位者等、海外のトップ選手達が来日するので、対戦するのが楽しみです」

今回は個人戦に出場する山井
今回は個人戦に出場する山井

 国別対抗チーム戦で注目する国は?

「やはり日本代表チームに勝ってほしいですね。残念ながら私は選ばれませんでしたが、藤田晋日本代表監督(サイバーエージェント代表取締役)に選ばれた8チームの各メンバーは、どのチームもすごいんで、麻雀ファンの皆さんと一緒に日本代表を応援します」

 海外選手におすすめしたい日本の麻雀スポットはあるだろうか。

「豊島区巣鴨にある日本プロ麻雀連盟の本部道場にはぜひ来てほしいですね。海外選手の中には3か月や半年のロングバケーションですでに来日している方もいて、大会に向けて道場に通っている選手もいるんですよ」

 今大会は全選手が自国の国旗入りユニフォームで試合に臨む。

「日本選手全員が日の丸を背負ったユニフォームで対局する様はきっと壮観です。全自動麻雀卓も台導入され、これまでにない規模の大会として、世界の麻雀ファンにリーチ麻雀をアピールできると思います。大会は3年に1度なので、次の開催国は今大会終了時にWRCから発表されます。将来的にはサッカーW杯や五輪のようなグレードの大会に育つと思うので、2025年は世界の麻雀にとってひとつの節目になる気がしています」

 ◆インタビュー・構成=福山純生(雀聖アワー)

【大会概要】7月2日に国別対抗チーム戦、3~6日に個人戦が行われる。ルールは一発・裏ドラあり、赤牌なし。順位ポイントは1着+15、2着+5、3着▲5、4着▲15。ABEMAと日本プロ麻雀連盟チャンネルでそれぞれ異なる試合が生中継される。

 ☆やまい・ひろし 1970年2月3日、富山県生まれ。日本プロ麻雀連盟所属。主な獲得タイトルは第1回リーチ麻雀世界選手権、第20期チャンピオンズリーグ、第15回モンド杯他。異名はオフェンスマスター。