7月1~6日、「アース製薬100周年記念 世界麻雀TOKYO2025」が日本橋三井ホール(東京都中央区)で開催される。2014年のフランス・パリ大会以降、4回目となる今大会の参加国数は過去最大の37の国と地域。個人戦と国別対抗チーム戦があり、各国代表が世界の頂点を目指して激突する。第1回大会から選手として出場し、大会事務局長を務める森山茂和(日本プロ麻雀連盟会長)に大会の歩み、注目選手、“リーチ麻雀”の未来像を聞いた。

会場は日本橋の近く。「Mリーグでも使用している最新式全自動麻雀卓を64台設置します」と森山は胸を張る。用具も最新式とは最高のおもてなしだ
会場は日本橋の近く。「Mリーグでも使用している最新式全自動麻雀卓を64台設置します」と森山は胸を張る。用具も最新式とは最高のおもてなしだ

 麻雀ファンに親しまれている“リーチ”は、日本で誕生した役(やく)なので、中国発祥の麻雀にはない。「リーチ麻雀は、英国生まれのラグビーが米国でアメフトに進化したように、ラグビーは素晴らしい競技だけど、アメフトにはまた異なる楽しみ方があるという感じです」と日本の麻雀は“リーチ麻雀”として独自のスタイルで進化してきた。そのため大会名の英語表記も「REACH」ではなく「RIICHI」となっている。「リーチ麻雀を表してくれたローマ字表記なんです。欧州を中心にリーチ麻雀=知的頭脳ゲームと捉え、日本の文化だと認めてくれているんですよね」

 麻雀の国際大会は2002年に東京で開催されているが、中国式ルールのリーチがない大会だった。「その大会に参加していた海外選手が、日本のリーチ麻雀を知ったことで欧州に広まっていったんです。08年にはリーチ麻雀欧州選手権がドイツ・ハノーファーで開催されるほどリーチ麻雀熱は高まり、その数年後『日本式のリーチ麻雀ルールを採用した世界選手権を開催したい』と、欧州麻雀協会のマーティン・レップさんとジェマさん(現WRC会長)から日本に相談がありました。素晴らしいことだなと思いましたね」

 2人の熱意に日本プロ麻雀連盟が先陣を切り、麻雀プロ界全体で応えたことで、14年にフランス・パリで「第1回リーチ麻雀世界選手権」が開催され、17年に米国・ラスベガス、22年にオーストリア・ウィーン、そして日本にバトンが引き継がれたのだ。

 国際大会ならではの様々なハードルも乗り越えてきた。「フランス・パリ大会では麻雀牌が足りないと聞いたので、40セットの麻雀牌を日本選手団で分担してスーツケースに入れて飛行機に乗ったんですよね」と用具を提供したり、オーストリア・ウィーン大会は「コロナ禍で2年の延期を余儀なくされ、一番大変でした」と振り返る。
 麻雀プロの海外派遣も積極的にサポートしてきた。「海外の大会に日本のプロがゲスト出場すると喜ばれますし、何よりリーチ麻雀の普及につながります。選手にとっても見聞が広がりますからね」

 対局中、ロン、ツモ、リーチといった麻雀用語は全選手が使用する。「点数申告は基本的に英語でやってきました。中には1300/2600をイチサン、ニイロクなんて言う海外選手もいて驚きましたね。会話は自動音声翻訳機があるのでラクになりました」

 全参加者数は256人。日本からはプロ予選を通過した各団体の麻雀プロをはじめ、ネット麻雀の各予選を勝ち上がったアマチュア選手も参加する。「海外選手はまるで米国に行ってメジャーリーガーと一緒にプレーするかのように捉えてくれているので、日本の麻雀プロと同卓すること自体がおもてなしと考えています。だからこそ勝たなければならないんですけどね」

 国別対抗チーム戦には全45チームが出場する。代表監督は麻雀プロリーグ「Mリーグ」のチェアマンでもある藤田晋(サイバーエージェント代表取締役)が就任し、現役Mリーガーを中心に全8チームの選抜メンバー34人を選出。森山自身もOver60代表チームのメンバーとして選出された。「注目選手は米寿の灘麻太郎ですね。88歳の麻雀プロって本当にすごいことですよ」と、同チームで共に戦う現役最年長麻雀プロの名を挙げた。

 歴代優勝者は日本の麻雀プロがその名を刻んできた。「将来的にはサッカーW杯のように世界中に広がって、いつかは麻雀のルーツである中国で開催したいですね。冠スポンサーのアース製薬さんのロゴマークにちなんで地球規模の大会に育てていきたいので、これを機に3年に1度開催される世界麻雀が盛り上がり、ABEMAでの放映も定着してくれたらうれしいですね」と地球全体にリーチ麻雀の普及を目指していく。

 ◆インタビュー・構成=福山純生(雀聖アワー)

【大会概要】7月2日に国別対抗チーム戦、3~6日に個人戦が行われる。ルールは一発・裏ドラあり、赤牌なし。順位ポイントは1着+15、2着+5、3着▲5、4着▲15。ABEMAと日本プロ麻雀連盟チャンネルでそれぞれ異なる試合が生放映される。

【歴代優勝者】2014年フランス・パリ=山井弘(日本プロ麻雀連盟)、17年米国・ラスベガス=ともたけ雅晴(日本プロ麻雀連盟)、22年オーストリア・ウィーン=奈良圭純(日本プロ麻雀連盟)