いま“植物肉”に注目が集まっている。飲食チェーンで使われたりスーパーなどで取り扱われたりするようになって身近なものに。植物肉がなぜ注目されるのか、開発している植物肉専門ベンチャーに聞いた。
【死亡リスクが低くなる植物性たんぱく質】
植物肉とは大豆やエンドウなど植物性のたんぱく質を使った植物性の肉だ。いわゆる肉の代替となる食品である代替肉の一つであり、ハンバーグやナゲットのように加工された状態のものや、生ミンチ肉状のものまでバラエティーのあるさまざまな製品が登場している。植物由来の原材料を使用して作られた食品をプラントベースフードと言うが、その一種でもある。
植物肉は、最近ではスーパーやコンビニなどでも見かける機会が増えているが、注目される大きな理由の一つは健康対策だとされる。中でも植物性たんぱく質を摂取できる点がある。植物性たんぱく質は、摂取割合が多いほど死亡リスクが低いことが国立がん研究センターのデータなどで判明している。
「現代人のたんぱく質不足が問題とされますが、実は戦後、動物性たんぱく質が安定的に供給されるようになって、食事に占める動物性たんぱく質の比率が高まり、一方で植物性たんぱく質の摂取が減ってしまいました。そうした中で、手軽に植物由来たんぱく質を取ることができるのが主に大豆などの豆類を原料としている植物肉のメリットなのです」と推奨理由を語るのは、植物肉を開発し、事業者向けや消費者向けに販売しているグリーンカルチャー(埼玉県三郷市)の金田郷史代表だ。
【ベジタリアンだけでなく一般的な人気を獲得】
大豆はもともと「畑の肉」と呼ばれていた。アミノ酸スコアが肉や魚と同じくらい高い。豆類の中でも特にたんぱく質が豊富なうえ、大豆のたんぱく質にはコレステロールを減らし、脂肪を燃焼させる働きがある。
日本人が古くから摂取してきた大豆由来のたんぱく質を、植物肉は肉を食べる感覚で摂取することができる。本物の肉に近い味や食感で大豆特有の匂いもあまり気にならない製品も最近では増えているという。
米国では、植物肉市場も緩やかに拡大中だ。植物肉の起源はベジタリアンやビーガンなど動物を食べないライフスタイルからだとされるが、米国では早くから植物由来食品が広く受け入れられていた。「日本ではそれほどなじみがありませんでしたが、私どもは動物性たんぱく質摂取に関するさまざまな問題の解決策の一つとして、単なる代替肉でなく植物の持つ価値を訴求できる植物肉の開発を目指しました」(金田代表)
日本でも、海外から来るインバウンド客には植物肉への需要があり、宿泊施設や外食店などで植物肉が使われる事例が増えている。そうした中で、食を通した健康維持の一環として植物肉を食生活に取り入れる人が日本でも年々増え続けているわけだ。
健康目的以外にも植物肉には魅力がある。次回は、さまざまな植物肉の魅力について聞く。













