陸上の全日本大学駅伝関東地区選考会(24日、神奈川・レモンガススタジアム平塚)で、約1年ぶりに実戦復帰した前田和摩(東農大3年)が〝完全復活〟への第一歩を踏み出した。

 腰のケガや体調不良などで長期離脱を強いられたが、春ごろから練習を再開。まだ万全な状態ではない中、28分30秒25の4組12位で駆け抜けた。レース後には「改めてチームの一員というか、走りでチームの力になれたことが、すごくうれしく思う。またこの舞台に戻って来られてうれしい」と晴れやかな表情を浮かべた。

 1年時から結果を残し、2年時には日本選手権の1万メートルでU20日本新記録(27分21秒52)を樹立。チームの大黒柱として期待されるも「体調を崩したりケガをしたり、チームのみんなに迷惑をかけちゃっていた。申し訳ないな、悔しいなって思いがあった」。それでも、懸命に努力を続けるチームメートの存在が、前田の心を突き動かしたという。

「練習の結果はチームで共有されるが、そういうのを見たりして『みんなよく頑張っているな』と思っていた。グラウンドを歩いたりする時に、ちょっとみんなの練習を見たりして、自分もこの中に加わりたいなと思っていた」

 前田抜きで挑んだ昨年の箱根駅伝予選会は11位。出場圏内の10位に1秒届かず、2年連続の本大会出場はならなかった。「自分は外から応援することしかできなかったし、結果的には1秒だけの差ではないと思うけど、チームが全力で狙っていた中で負けたので、ひたすら悔しかったし、無力感も感じていた」と当時を振り返る。

 もう同じ思いはしたくない――。今年の箱根駅伝予選会は、主力としてチームに貢献する構え。「箱根駅伝まではチームで出るレースに全て集中する。自分のタイムを狙うレースはやらずに、地道に一からベースをつくり直す。次は箱根駅伝予選会を目指して、しっかり準備をしていきたい」と気合十分。次は前田がチームメートに恩を返す番だ。