〝エース〟に必要な条件は――。体操の世界選手権(10月、インドネシア・ジャカルタ)の代表選考会を兼ねたNHK杯(16日開幕、東京体育館)に向けて、15日に男女の出場選手が会場で最終調整。日本体操協会の村上茉愛女子強化本部長(28)は、女子選手たちについて「自分がイメージしているよりはいい調子だなと思った」と一定の評価を下した。
24年11月に史上最年少で女子代表の強化本部長に就任し、五輪での「団体メダル」を目標に奮闘している。現役時代は21年東京五輪種目別床で銅メダルを獲得。さらに世界選手権の同種目で2度金メダルに輝いた。大黒柱として世界の舞台で戦い抜いた経験から「結果もそうだが、得点、実力でもチームを引っ張らないといけない」と本紙に〝エース〟の矜持を明かした。
全員10代で挑んだ24年パリ五輪団体は8位。将来を見据える上では〝エース〟の育成も重要なポイントとなる。4月の全日本個人総合選手権では17歳・岸里奈(戸田市SC)が優勝。村上強化本部長は「立ち居振る舞いや演技の顔つきとかを見ていると、強くなったな、かっこいいなと思う」と〝エース〟候補の成長ぶりを目を細めつつ「岸選手は黙々とやるタイプで、真面目にやっている姿に他の選手たちも影響されると思うので、それが岸選手らしさの引っ張り方だと思う」との見方を示した。
ただ岸自身が「個人総合で56点を超えてこないと世界で戦えない」と分析するように〝エース〟の位置にはまだ届いていない。村上強化本部長は「ずっと日本のトップで戦っていける選手。寡黙なタイプがふと話すひと言はチームにとって大きい影響を与えると思うので、経験を積んでいってほしい」と長い目での飛躍に期待を寄せた。
村上強化本部長は28年ロサンゼルス五輪、32年ブリスベン五輪を意識した強化に注力しており「ロスやブリスベンにピークが合えばいい。岸選手だけじゃなくて、日本チームの全員がその時に100%になればいいと思う」。1964年東京五輪以来の「団体メダル」へ、村上強化本部長のお眼鏡にかなう〝エース〟は現れるか――。












